堕落
クッと咽喉の奥を鳴らすように笑う笑い方がとても好きで、だから私は彼を選んだ。
「それ、なあに」
彼はラムネのような白い小さな塊を口に含み、そしてまたクッと笑った。整った顔立ちに皮肉な笑いはよく似合う。
「天国にいける薬」
天国。それってどこにあるの。私も、いけるかしら。
彼の唇を舌でなぞると仄かに苦い味がした。
ほろ苦い口づけに熱い吐息。ぐらり、眩暈がする。
「あ」
ねえ、あなたがいく場所なら、私もいくわ。どこだって、どこまでだって。
だから、いつものように、皮肉気に、笑って。
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