後に立つ
そう、それは十二分に理解しているはずであった。はずではあったが、理性と感情の相違は如何ともしがたく、冬の朝の霜のように心を蝕み、軋む音を立てて深々と嘆くのだ。
ではそれを回避する方法はあったのか。否、それは無意味な懺悔だ。彼の人は無為にそれを切り捨て、切り捨てられたそれはその意味を知らぬ。
今もその無知のままであれば安らかに眠れたであろうに。最早安眠は訪れまい。
あの足跡さえなければ。雪さえ降らねば、それを追うこともなかった。後悔とはこのようなものか。
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