次男のWは私のいうことを聞かないしむしろ私に暴言をはき怒鳴りまでする。よい子の末っ子VにはWの愚痴なんていえないし、まだ私が面倒を見なければ不安な年頃だ。でも一番不安なのは、Wのことで、同時に悩みの種である。だからほぼ毎日長男のXにWについての不満や愚痴をぶちまけている。Xは嫌な顔せず真剣に聞いてくれて、Wについての話し合いに応じてくれている。Xも兄としてWのことをなんとかしたいようだ。Xは頼もしい弟に成長してくれたみたいでよかった。

いつものように夜にワインを飲みながらXにWについて愚痴っていた。Xとはいつも向かい合って座っている。私の話を真剣に頷きながら聞いてくれた。
Xは良い子だし、アルコールがいい具合にまわり気分がいいわ。


「WもXみたいに育ってくれたらいいのに」

「それはそれで私は嫌だが」

「そうかしら?私はXみたいに読書が似合う子が理想よ。Wは可愛くないわ。Vはまあ可愛くて素敵だけど、私はXが一番好きよ」

「姉さん…飲みすぎだ」


いつの間にか私の腕の中にいたXは立ち上がり、次の瞬間には私はXに抱っこされていて自室にいた。Xがいつものようにわざわざ連れてきてくれたみたい。
Xが私を静かにベッドに寝かせてくれた。


「Xぃ…」

「なんだ?」

「キスして」

「…はぁ」


Xがため息をつくと、私の額にキスをしてくれた。久しぶりにねだってしてくれた気がする。そういえば最近WやVにしてないわ。まあWにしたところで舌打ちされるかキレられるかのどちらかだろうけど。
キスをするのに屈みこんだXを引っ張りベッドに引きずりこんだ。もちろんXは驚いて逃げようとしたが、私は手足をできるかぎり伸ばして身体全体でXをだきしめた。
欲求不満かもしれない。とにかく寂しくてXを抱きしめたくなった。少し酔ってる所為かもしれない。ごめんなさい、X。でも私癒されたいの。ああ、Xを抱きしめたら落ち着いてきた。なんだか眠くなってきたわ。
薄れる意識の中Xが何やら珍しく暴れていたのが見えた気がした。



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