今日もデュエルカーニバルの準備に追われ、ちょっと休憩しようかと腰をおろしていて、お茶を入れようかとまた立つと急に腰が痛くなった。さっきまで治ってたのに。


「腰痛が痛い…」

「日本語が間違っているぞ」


隣でハートランドシティの各地を映すモニターを見ながらドロワさんが言った。私もモニターに目を映すと特に問題はなくいつも通りのハートランドシティで、後日開催されるカーニバルにはどうなるのか楽しみであった。


「腰痛の痛さの尺度を表す言葉だからいいんですぅ」

「それにしても力仕事もしていないお前がなんで腰痛に見舞われるんだ?」

「そ、それは…」


不純な理由をドロワさんに言えるわけもなく半笑いで誤魔化そうとしたけれど、昨夜のことを鮮明に思い出して思わずにやつくように口の端があがり、なんともいやらしい笑みを浮かべてしまった。さらにそんな表情で昨夜誰かさんに言われた言葉も思いだし、さらに口元が緩んだ。
幸いドロワさんはモニターに気を取られていたので気づかなかったけれど最後まで答えない私を不審に思ったのかこっちを向いた。私は慌てて痛そうな表情を取り繕い(実際痛い)、事なきを得た。しかしドロワさんは少し心配そうな表情で、大丈夫か?なんて聞くので一気に罪悪感にとらわれた。何か勘違いされたみたいだ。


「おっす!お前らノリノリかぁ!?」


ゴーシュがいつものように豪快に入ってきた。何やらうきうきした様子である。
しかし私を見るなり近づいて腰を思いっきり叩かれた。あまりの痛さに前のめりになって腰を押さえた。ゴーシュのバカ、と心内で叫んだ。


「どうしたんだ?」

「おい、彼女は腰が悪いようだから労ってやれ」

「ほう、腰が…だらしねぇーなぁ!」


ゴーシュがニヤニヤしながらこっちを見やる。ドロワさんに勘違いされるからやめてほしいので睨むとさらにニヤニヤされた。


「おっと、そうだ。ハートランドシティの様子をみて電子通信で報告したら、直帰していいそうだ」

「なにその適当振り」

「ふむ。おまえ達はすぐに帰ったらどうだ?私がやってやる」

「え?いいよ。ドロワさんにわる…」

「おおっ!気が利くな!よし、帰るぞ!」


ゴーシュに腕をつかまれ、ズルズルと引っ張られた。昨晩あんなに動いてこの元気さ。どんだけ体力があるのだろうか。まさか今日もやるとかなんとか言い出すわけないよね。今日は空気よんでほしいなぁ。
しかし私の不安な気持ちとは裏腹にゴーシュはとてもいい笑顔で私の期待を裏切る発言をするのであった。


「家まで行くの面倒くせーし、休憩所よるか!」

「い、いやぁぁぁああ!」


ドロワさんが何かを悟ったようで、冷たい目を私達に向けていたのが部屋から引きずり出される間際に見えた気がした。









今夜はマグロ
「昨日みたくノリノリで腰振れよ!」
「腰痛いのに振れるか馬鹿!」


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