今朝から痛む頭に堪えながらも指示がでるまでトロン君と一緒にアニメを見ていた。部屋には他に三人いて皆静かにしている。しかし、暇だからといってトロン君とアニメを見るべきではなかった。彼は静かに鑑賞することを知らず非常にうるさいのだ。今なんか足をばたつかせ、その反動でお子様椅子をがたがたさせながら手を叩き馬鹿笑いしている。可愛いけど私の頭にトロン君の笑い声はものすごく響くようで非常に痛い。


「あはははっ!あ〜愉快ですねぇ!ねぇ?」

「私は全然愉快じゃないですけど」

「頭なんか抱えてどうしたんですか?」


思わず頭を抱え顔をしかめているとトロン君は面白がるような調子で聞いてきた。


「頭が痛いんですよ。だからできたら静かにしてほしいです、トロン君」

「ん〜それは無理な話ですねぇ」

「ですよねー」


予想通りの返答で、私は明るく振る舞ってみせた。少しでも期待していた分落胆したが、感情とは裏腹逆に笑ってしまったのだ。しかしトロン君は私の反応を予期していなかったのか、不満げにしていた。


「理由を聞きたいですか?」

「いや、別に私は…」


どうせ私なんか無視してアニメを楽しみたいから静かにする気がないのだろうとは察しがついてる。理由を聞く必要はないだろうと思ったけれど、トロン君の機嫌が悪くなりそうなので思い直した。


「何故静かにしてくれないんですか?」

「だってあなたの苦痛な姿を見るのがとっても愉快なんですよ!」

「あー、なるほど…って、そんな!」


あははは、と笑うトロン君の声に堪えながらもつっこむと部屋の角にいたIVは、くだらねぇと言い捨ててでていってしまった。うん、少しは皆会話に入ってくれると嬉しいのになぁ。
それよりも自分より年下に、こんなことを言われるなんて。トロン君は恐ろしい子だ。でも体の小ささや自分の話を聞いてほしそうにするあたりまだまだ子供で思わず笑みをこぼしてしまうのだった。







痛痛愉快
「あなたのその態度、気に入りませんねぇ」
「はい?」
「音量でも上げますか」

(数十分は堪えてみたものの結局負けて部屋からでようとしたら、戻ってくる途中のIVに扉が当たった)

(騒音部屋で身体攻撃と精神攻撃が始まったのは言うまでもない)



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