「カイト君!カイト君!」
「なんだ?」
「大好き!」
カイト君は少し笑って俺も好きだ、と私の額にキスしてくれた。いちいち王子様なカイト君は本当に私の王子様なんだ。
私が落っこちたとき、ハングライダーで助けてくれたのはカイト君。空飛ぶ王子様のカイト君とは運命的な出会いだったの。最初は他のことで頭がいっぱいだったのにいつのまにかカイト君で頭も胸もいっぱいになった。
幸せ。本当に幸せ。このままカイト君と結婚したいなぁ。
映画を見てご飯を食べて、ちょっとしたテーマパークで観覧車に乗ってというなかなか王道なデートをしただけあって、カイト君と別れるのは寂しかった。だから駅までの道でじゃれたのだけれどそれに最高の形で応えてくれるものだから余計に名残惜しく改札の前で少し話しこんでしまった。
「次はどこに行きたいんだ?」
「んーカイト君が行きたいとこ」
「いつもそれだな」
「じゃあたまにはお金かけずに公園デートしたいな」
「そうか。わかった。じゃあ気をつけて帰れ」
口元を上げ、片手を軽くあげるので、私はもう少し一緒にいたいという想いを諦めて、手を振って、改札を通った。すぐカイト君を振り返ると既に彼は背を向けて帰っていってしまった。帰り際いつもあっさりしてるカイト君だから慣れてきたけれど、相変わらず寂しい。だけれど明日もカイト君とデートだからここは我慢しよう。公園デートか。ああ楽しみ。
銀河におちた星
(毎日がきらきら楽しい!)