凌ちゃんとは言葉は交わしていないけれど、付き合ってるみたいなものだった。私は凌ちゃんのためならなんでもした。嫌なことだってしたし、凌ちゃんにあげたものは両手両足じゃ数え切れない。
それなのにそれなのにいつの間にか凌ちゃんには彼女ができていた。彼女は凌ちゃんの幼なじみらしい。こんなに尽くしたのに、なんて思いはしなかったけれど、凌ちゃんが急に最近幸せそうになったのも気づかずに、勝手に凌ちゃんも私のことを好きだと勘違いしてた。

結局馬鹿みたいにくるくる回って空回りしてたんだ。私が強い魅力を持って凌ちゃんを引きつけて、凌ちゃんも私以上の魅力で私を引きつけてたのだと思ってた。
自分の勘違いが恥ずかしくて、悔しくて、苦しくて、凌ちゃんが愛おしくて、もう色んな感情がごちゃまぜでよくわかんない。とにかくなんも感じたくなくて、なんも考えたくなくて、なんも考えなかった。なのになのに気づいたら落ちていて、落ちた。視界は真っ暗で、なんもなかった。









軌道を失った衛星
(凌ちゃん、バイバイ。大好きだったよ)



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