「君には何が見えるかな?」


地下室だというのにギラギラと光る照明のせいで瞬きを絶えずしてなければ失明しそうだ。その中で、フランク教授の実験のために頭に最新の器具をつけ、教授のだしたソリットビジョンのモンスターを見つめた。最初は原型が止まらなかったモンスターは次第に人のような形に変形していった。これはかなり見覚えがある。


「多分…男の人。帽子を被った」

「ほぉ。どんな様子だい?」


よくモンスターを見つめた。かれこれ五体目で問いについては200題を越えた。大分疲れて頭が上手く回転しない。


「えっと…ひっ…わかりません!」


男の人のシルエットのはずが急に姿をはっきりと現した。これは、紛れもなく、だけど違う。教授の姿とソリットビジョンを順に見つめたけど、終いには両方ともとてもじゃないが見れなかった。視線を下にして自分の足元を見つめていた。


「いいなさい。誰にも言いませんから」


教授の甘く優しい声が室内に響く。いつもの優しい教授。
ああ。教授はどんな顔をするだろうか、自分がこんなことを言ったら。告白するようなものかもしれないのに。しかし面と向かった心理実験で教授を欺けるはずもなく震える声でそっと呟いた。


「教授の姿、です」


その瞬間教授の顔が歪んだ。






被験者Xの献身
「これはこれは興味深い反応だ…」
「もう、おしまい…です…か?」
「いや、あと少し…50題は答えてほしい」



(精神崩壊まであと3分)



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