真っ赤な敷物の上の私達を支える台が音を立てる。愛してる、そんな心にもないはずの言葉が何度も降りかかってくる。天才があるが故の悩みを内に抱え迷走する彼をどう受け止め支えればいいかわからない。
濡れた手でそっと彼の角に触れた。何を秘め何を私に向けているかわからない角は彼の心が瓦解するかのようにゆるゆると崩れ解けていく。
守ってあげたい。悲しそうな彼の瞳を見つめ彼にはないであろう溢れる感情を抑え擬似愛を受ける。
アンドレが嘘でも愛し、私は真に愛す。いつまで続くかわからないループ。それを漫然とさ迷う彼自身が断ち切るしかないのだろうか。少なくとも私にはできないことはわかる。結局私ができるのはこれからも彼を愛することだけ。愛していれば彼はそれに応えてくれる。それだけでいいのかもしれない。彼に甘えこの折れそうな心を支えられるのなら。






相互依存
「アンドレ、アンドレ。愛してる…っ」
「俺も、だ」

(誰かが終わらしてくれると信じてやまない)




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