春風に恋文



 
銀時×桂

きっとあれが始まりだったんだと、俺は信じたい。

春風そよぐ、暖かい日。寺子屋での出来事。

「ヅラァ〜、さっきから必死に何書いてんだ?」

先程から必死に何かを書いている桂。

(今休みなのになにやってんだこいつ)

ただなんとなく気になって後ろからヒョイと紙をみる。

「ッわぁ!銀時!!何をするか貴様!」

バッと紙を隠し怒鳴りつける桂。

(なんだこいつ)

頬を膨らまして、不機嫌な顔で桂を見る。

「なになに、怪しいなぁ」

見せてくれないのが悔しくおちょくる。

「変なもの〜?」
「見してよ〜」
「ヅラぁ〜」

甘えた声でいってみるが、桂は揺るがない。逆に怒ってしまった。

「五月蝿い!貴様に見せる義理はない!」
「ケチぃ〜。いいじゃん。たいしたもんでもなさそうだし」

デリカシーのない銀時がそぅ言うと、

「貴様には関係がないと言ってるだろ!」

勢い強く立ち上がって変な紙を持ち、走っていってしまった。

(なんなんだヅラのヤツ)

後を追わずにボーっと座ってると、「早く追えよ、バカかテメェは」

後ろから高杉の声がした。呆れた様に言う高杉を不思議な目で見ると、ため息をついてまた口を開く。

「早くしろっつってんだろ!」

銀時を無理矢理立たせると背中を押した。そのまま凄い勢いで閉めた。

「なんだっつんだ、高杉のヤツ…」

ボヤボヤ呟きながらゆっくり歩く。春風が気持ち良い。
とりあえずヅラ探さなきゃな〜。
ヅラが行きそうなとこ。
いつも居る場所。

あ、思い付いた場所が一つ。

大樹。
そこはヅラがいつもいる場所だった。木に登り、よく本を読んでいた。

(この場所は大切なヤツにしか教えてないんだぞ!)

そう言ったヅラの顔を思い出した。真っ赤…だったな。変な紙書いてたときも、真っ赤だったな。

早歩き。だんだん足取りが軽くなっていく。何故かなんてわからない。何かに期待している自分がいた。


「ヅラァ!」

大樹の下につき、名前を呼ぶ。やっぱりいた。返事はないが、微かに泣き声が聞こえた。
少したっても返事はないし、降りてくる気配もない。
ため息をついて、大樹に手をついた。近くの枝につかまり、次々に上に昇っていく。
結構高く昇ったところで、桂の姿が見えた。変な紙を握りながら啜り泣いていた。

「ヅラ…」

泣かせてしまったのは、俺か…。
優しく名前を囁くと

「ヅラじゃ、ない…桂だ。」

言葉には迫力が無かった。さりげなく隣に座った。下から顔を覗き込んだ。泣いた顔も可愛いとは…末期だな。鼻と頬と耳を赤らめながら、言った。

「なにしにきた」

そっぽを向いてしまった。
紙を握る手を優しく握り、もう片方の手で桂を抱きしめた。

「その紙、大切なモノなんだろ。ごめんな…?」
「……………銀時」

ちょっと間をあけて、俺の名前を呼ぶ。握っていた紙を銀時の胸に突き出した。

「貴様にやる…」

それだけをいい、ジャンプして下におりた。

その手紙を開くと、予想通りの恋文だった。




+反省文+

遅くなった(^O^)

ごめんなさい…!
ショタっていいよね…(二次元限定)
初々しいのが好物です。

ここまで読んでいただきありがとうございました!

09.06/12