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ただの自己満足でしかない、他人との恋愛行為。僕はそれを幾つも繰り返しては彼の大切さに気がつく。近くにある大切なものは失って初めて気がつくものだという。だから僕は何度も何度も失う。そして気づく、取り戻すの繰り返し。

「み、帝兄!!?お願いっ…ボールペン仕舞って…!!」
「嫌です。私、何回帝人に注意しましたか?臨也さんと静雄さんには近づくなといったでしょう?」

帝は覚めた目で帝人の顔の真隣にボールペンを突き立てた。畳の隙間に入っただけだからすぐぬけるため、何度も刺せる。

「ご、ごめっ許して帝兄…っ」
「許しません。仏の顔も3度までです」

ざくりと畳みがえぐれる。
その音に怯えて帝人は振るえだした。気のせいか目には涙が見える。そんな姿を見ても帝はやめようとはしない。しかし泣かれるのは少し厄介だと思ったのかボールペンを離した。

「帝人、次私のいうことを聞かなかったら…わかりますよね?」

にこりと笑うが瞳の奥にはどす黒い何かが渦巻いている。帝人は冷やりと背中を凍らせ声を絞りはい、という。
帝は簡単に手を引いた。よかったぁ…。一安心して帝に抱き着く。ごめんねと言えば帝は上機嫌になった。


ごめんね、帝兄。
だってあの二人から帝兄を守るにはこうするしかないでしょう?帝兄は鈍感だから気づいてないかも知れないけど、あの二人は帝兄のことが好きなんだよ?

だから、ねぇ?

僕はこうやって帝兄との関係を保っていくしかないんだ。

帝兄は他の人のところになんかいかせない。帝兄は鈍感だから大切なモノを失っても気づかないだろうからね。

一方通行恋愛話
一方通行?違うよ、ただのすれ違い




愛しのメランコリック様から
お題をお借りしました^^*

10.07/05