深く、深く口づけをする。
舌と舌が絡み合ってそれだけでもなぜか気持ちがいい。…こんな状況じゃなかったらの話だけどな。
壁側は不便だ。逃げ場がない。
だからこうして簡単に押し倒されてキスされてしまうのだ。
一生懸命抵抗して臨也さんの唇を噛んでも、にやりと笑いまた強く口づけをする。
強行突破。臨也さんを殴り、恥を忍んで外にでようかとおもい部屋を出るように試みるが、いつも平和島静雄と鬼ごっこしてるせいか、隙がない。
「もう諦めて俺に抱かれればいいのに」
「なにがあっても臨也さんだけはいやですね…っ離してください」
「強がりちゃんだなあ、離すわけないでしょ?」
やっと手にはいったんだから…。
言葉にこそださないが、心で何回も繰り返す。
片手にもった真っ白いスカーフを何に使うのかと思いきや、正臣の両腕を頭の上にもっていき手首を縛る。セーラー服って、腕を上に持って行くと腹チラするからいいよねぇ。
楽に解けそうなスカーフでも、臨也の手にかかれば複雑な紐と化せる。
「やだっ、臨也さんやめ、んんっ!!」
「悪いお口は塞いじゃいましょう」
臨也さんの指が3本ほど口の中を引っ掻き回す。吐き気がするはずのその指使いはなぜか快楽しか生み出さない。
臨也は服の中に手を入れる。
胸の突起を探して、手が肌に触れる。正臣はくすぐったくて体をくねらせた。
「…ッ」
「あぁ、そっかこれじゃ声がだせなくて苦しいよね」
パッと両手を離し、素早く立ち上がって部屋をでる。そして、30秒もしない間に戻ってくる。正臣を放置しても逃げないと確信があってのことだろう。確かにこんな姿で外をうろつくほど勇気はないだろうから。
「楽にできないなら楽にしてあげるまでだよね」
「なにを…」
臨也は片手に持つ白い粒を自分口の中にほうり込むともう片手に持つ水を口に含む。
そして思い切り正臣に口づけ。
「んっ…ぁ、」
ゴクン、確実に喉を通った音がする。
「はっ、はあ、臨也さ…ん、この…薬は?」
「そのうちわかるよ、即効薬だし」
言われた意味が解らなかったが、直ぐに理解することになった。
熱でも、あるのだろうか。体が熱い。
あぁ、臨也さんがいる。
俺を見てる。どうしよう…なんかいやらしい気分になってきた…触ってほしい。
そしつ気がつく、これは媚薬だ。
「いざ、や…さんっ!」
赤くなりながら睨みつける。
勿論それは逆効果なのだが。
「なにそれ誘ってるの?」
素直に飲んでしまった自分を殴ってしまいたい。
内心わかっているのに、体がいうこときかなくて臨也さんを求める、求める。
キスしてほしい、
抱きしめてほしい、
触れてほしい、
臨也さんが、ほしい。
正臣に跨がる臨也は不敵な笑みを浮かべ正臣に聞く。
「俺にナニしてほしい?」
「………」
「いわないと放置プレイになるけど」
「っ!………わって、ほしいです」
正臣が小声で訴えかけても、臨也は聞き取ろうとしない。自分に聞こえるまで言わせるつもりなのだ。
「聞こえな〜い」
「触ってほしいで、す…!!」
「よくいえましたぁ」
正臣が怒鳴ると同時に臨也はスカートの中に手をいれた。
友人Aちゃんぬに捧げたやつの続き。
誕生日おめでとうっ!
10.04/22
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