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「門田さんどれにしますか?」
「あ…えっ、と、じゃあバニラで」
「ふふ、可愛いものを頼みますね」

いや、可愛いのはお前のほうだろ、と内心ツッコミをいれる。帝人が手に持つストロベリーのソフトクリームは帝人の頬の色と同じだった。…緊張しているんだなと感じ取れる。

「それにしても遅いですね、正臣達」
「狩沢達もまだのようだし、なにやってんだあいつら」

今日は別に竜ヶ峰と俺と二人きりで遊んでいるのではない。勘違いはするなよ。紀田や園原とかいう竜ヶ峰の友達に狩沢と遊馬崎を待っていて偶然的に二人きりになっただけだ。待ち時間がもったいないということで狩沢達には先にサンシャインシティに居るとメールをしたところ思う存分みかぽんとのデートを満喫して!そして後でkwsk!と返ってきたが、決してデートではない。

「あ、メール」

気まずいのかそうでないのかという雰囲気のなかそういって携帯を確認した竜ヶ峰が、画面を見つめてため息混じりにメールを読んだ。

「[すまん!帝人!可愛い女の子をナンパしたところ大成功☆をおさめたから今はそっちに行けそうにない!遊馬崎さん達に謝っといてくれ!夜には合流するから!]…だそうです。狩沢さん達から連絡はありましたか?」
「あぁ、[スージー安田先生を生で見つけた!愛を叫んでくるから、遅れる!]…だそうだ。無責任な奴らだまったく」
「本当ですよ」

携帯をしまい、ソフトクリームに意識を戻す。これから俺は、どうすればいいんだ…?大人しく狩沢や遊馬崎達を待っていればいいのか、それとも先に行動してしまっていいのか…。
男2人が無言でソフトクリームを隣り合って食べてるって…これ図的にどうなんだ。そもそも竜ヶ峰はどうしたいんだろう。
そんな考えを張り巡らしていると、竜ヶ峰があっ、と声をあげる。

「あのっ僕、新しい雑誌とノートが欲しいんですけど…」
「お、じゃあ買いに行くか」

竜ヶ峰が遠慮がちにいうと俺は速攻で決める。残り少なくなったソフトクリームを一気に口の中にほうり込む。そんな姿を見てか、竜ヶ峰も食い急ぐが、焦らなくていいというと普通のスピードに戻り、パクパクと少しずつ食う。…なんか、ハムスターみたいだな。愛嬌が湧いてしまい、つい頭を撫でてしまった。竜ヶ峰は一瞬不思議な顔をしていたが、嬉しいのか直ぐに笑顔になった。
…なんだこいつ、すっげえ可愛い。

「ごちそうさまでした、あ、じゃあ…行きませんか?」

竜ヶ峰がそういうから俺は腰をあげ、本屋に向かった。俺の右斜め後ろを歩くハムスター、基竜ヶ峰は何を緊張しているのか恥ずかしいのか、先程から俯いている。

「恥ずかしいのか?」

男2人で歩いてるのが。そう言えば竜ヶ峰はぶんぶんと首を振った。

「門田さんは、顔が広くて知り合いがいっぱいいて、その何て言うか…緊張するんです」

もしかしたらこいつは天使なのかもしれない。困ったふうに笑う竜ヶ峰にうっかり手を出しそうになり、ギリギリで引っ込めた。まずい、さすがに高校男子の頭を撫でるのは失礼だ…。

「そうか…まぁいい、行こう」
「はいっ」



あれから、小1時間がたつ。

「門田さんっ門田さん!これなんかよくないですか?」
「お、竜ヶ峰っぽいな、それ」

竜ヶ峰が手にするのは青と黒のいパーカー、つまり服屋にいる。何故かと問われたら流れでと答える他ない。たった数分ほど前のできことで、ノートも雑誌も買い終えた後することがなくなってしまい、ふらふらしていると今人気の服屋が目に入る。冗談で入るか?と聞けばいいんですか!?と可愛い反応が返ってきて満足した。

「あ、これもよくないですか?」
「ん?」

次に竜ヶ峰が俺に見せてきたのは2着のセットだった。同じような作りだが、少し違う部分がある服、女物と男物。つまりはペアルックというものの類だ。俺は目を見開いた。服のセンスは悪くはない。寧ろいいほうだと思う。しかし、それを見て俺はなんと答えればいいのだろう。よくないというのも悪いし(実際そう思ってはないからな)、だからといって俺がこの服を認めたら竜ヶ峰が買ってしまう。相手は園原って少女だと思うが…気に喰わない。

「あー…、それ誰と着るんだ?」
「え?あ、そっか…」

どうやら考えていなかったみたいで、竜ヶ峰は悩んだ。うーんと唸ると竜ヶ峰は顔をあげた。
「門田さん一緒に着てくれませんか?、なんて…言ってみたり…」

その台詞に俺は爆発しそうだった。なんだ、こいつは。冗談ですなんて笑っている竜ヶ峰に別に一回なら着てもいいと返事をすると驚いてから赤くなって本当に冗談ですから!、と服を元の場所に戻した。惜しい。

「着ないのか、残念」
「はは、何いってるんですか門田さん」

本音だ、なんていえない。だって本音は違うからだ。「スキ」だ。俺の本音は、スキ。

伝えたい言葉はたった二文字なのになんで口にでないんだ。そう思いながらも俺は今のこの状況に満足していた。







門帝Lover's様に提出しました!
門→(←)帝になっているんでしょうか…不安です…本当に。
ドタチンと帝人でうぶなデートをしてればいいじゃない!の妄想の果←

ここまで読んでいただきありがとうございました!


10.06/27