Case.X
幸福論
抽象的で空虚な幸福。
それこそ恋愛による幸福感ではないだろうか。一つの行動、一つの言動、一瞬の気の迷いで崩れ去る虚構の世界での幸福感は、本当に「幸福」という事象だと言えるのだろうか。幸福であると錯覚しているだけなのだろう。
そもそも「幸福」とは定義付られるモノなのか。定義付たとして、「一般」に「普遍的」に当てはめることが出来るとは思えない。そんなあやふやな実体を持たないものなら初めから存在しないのではないか。つまり「幸福」というモノは錯覚である。だから、幸福は元々虚構の中にあるモノなのだ。
幸福は存在しない。元々抽象的で空虚なモノを、わざわざ形にする必要もない。なので、幸福というモノは、如何に「幸福である」と錯覚できるかではないだろうか。恋愛にせよなんにせよ、幸福感を感じればそれは幸福な状態で、錯覚しているということを忘れられればそれは幸福である。

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