軍隊 民族 信仰



エルスティアは対外的には王政をとっていますが、王家全盛の時代はすでに過ぎ去り、現在は統括維持軍という国営の軍隊が国を牛耳っています。

統括維持軍は兵部省治部省民部省の三つの派閥から成り立っていており、各派閥はそれぞれ兵力の保持、治安維持、平民の生活保障等の面から国を支えています。

しかし力の比重は兵部省に偏り気味。というのも、兵部省は元来、エルスティアを建国した〈始祖〉を保護した自警団の九人の青年達〈九大始祖〉をルーツとしており、今日に至るまで、兵部省は王家を保護する立場を貫いてきました。

第六次南北戦争〈ハウンツバッハの聖戦〉の終結後、兵部省は徐々に力を失いつつあり、治部省、民部省の二省は兵部省の保護する、王家のまじない、植物の〈セーレ〉の廻りを早める術〈月詠〉を我がものにしようとしています。


その統括維持軍でもひときわ権力を持つ位を閣下相当位と呼びます。閣下相当位は本来王族のアーネンエルベ家のみが名乗ることを許された称号のことで、統括維持軍の最高権力者と言っても過言ではありません。統括維持軍の軍人から五年に一度、国営三省の各省トップである将軍五人の推薦によって選ばれます。ただし将軍の内の誰か一人でも選ばれた者に異議が有る場合は、無効となりそれからの五年間は閣下相当位は空席になります。過去、統括維持軍で閣下相当位についた者の人数はごく僅かで、そのほとんどは重責に堪えきれずに気が狂い任から外されてしまいました。

五人の将軍は閣下相当位に次ぐ権力者で、省内での最高権力者です。それぞれ兵部省に三人、治部省に一人、民部省に一人在籍していますが、省内に将軍の人数が多ければ多いほど閣下相当位に自分側の人間を立てることができるので、優位になります。
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