■鏡合わせに生きられず(アレハレ)
アレルヤとハレルヤがうじうじする話。ライルとクラウスもちょこっとだけ。
アレルヤ→マリー要素があります。


表紙:トロさま


「ハジメマシテ」
名前のない二人が出会った場所は妄想だ。痛みに、苦しみに、哀しみに、耐えられなかったアレルヤの中でハレルヤが育って、ある日出会った。最初、二人とも名前はなかった。名前を忘れて名前を持っていないアレルヤに、もう一人分の名前まで付けられるわけがなかった。
「あなたたちは二人なのね」
マリーがハレルヤを知ったから、ハレルヤは確かに現実になった。そうでなければアレルヤの妄想だと言い張られておしまいだったのかもしれない。その日からアレルヤの話し相手は二人に増えて、そしてまた減った。マリーを置いて外へ出て、また一人だけの二人きりになった。
 アレルヤとハレルヤはアヤシイことをたくさんして、どうにか生き抜こうとした。それに、アレルヤは耐えられなかった。死に急ごうとするかのような生に執着しないアレルヤに、ハレルヤは言ったのだ。

「お前が死んだら俺も死ぬんだぜ?」

 ハレルヤの想像以上に効果覿面だった。アレルヤのたった一人のトモダチ。アレルヤのたった一人のアイボウ。それを言って以来、嫌だ行かないで一人にしないで、とアレルヤは泣いて縋った。毎晩毎晩、だ。



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