■Call you(アレニル)
your name18禁」の加筆修正+続きです。単なるいちゃらぶエロ。
アレルヤが拗ねたりニールが拗ねたりする話。ニールの襲い受けとか色々。


表紙:つぐさま


Sample(your nameの続きの冒頭部分)

「ニール」
大きな図体で子猫を見た時のようにへにゃりと蕩けた笑顔を浮かべながら、子ガモが親ガモの後を追いかけるように一目散に追いかけてくるアレルヤに呼び掛けられて、ロックオン――ニール・ディランディは大きく溜息を吐いてから足を止め振り返った。
「何だよ、アレルヤ」
「呼んでみただけです」
「あのなぁ……」
アレルヤにニールの本名を伝えて以来、随分と長くこんなことが続いている。周りにトレミークルーがいない時を見計らっては用事もなくロックオンの本名を呼んで照れたような、嬉しそうな、恥ずかしそうな、そんな妙な表情をしているのだ。最初はただ、その時に偶然アレルヤの機嫌が良かったのだろう、くらいにしか思っていなかった。嬉しいことが起こると誰にでも連絡をして話してしまいたくなるような、そんな気分になってしまうこともある。それでとりあえず近くに居るニールの名前を呼んだとか。それにしてもまぁ、頻繁すぎる。気味が悪いというか、不可解で気持ち悪い。
「最近お前、変じゃないか?」
妙ににこにこしているアレルヤに問いかけると当の本人はきょとんと首を傾げた。
「そう、ですか……?」
「変じゃなかったら、何でそんなに年中俺の名前を呼んで笑ってるんだよ?」
「何で、って……」
片側しか見えていない銀の瞳を揺らめかせ、戸惑ったように視線を落とす。広くがっしりとした肩を寄せてもじもじと言葉を詰まらせる姿は稀代の殺人者からは程遠い。しばらく視線を彷徨わせてからアレルヤはようやく口を開いた。
「好きな人の名前だから、呼びたくなっちゃって」
「はぁ?」
思わず間の抜けた声で返す。答えを予想していたわけではないが、それにしてもニールには思いつき難い答えだった。
「名前くらい、前から呼んでたじゃなねぇか」
「それはコードネームでしょう? 本名を、教えてくれたのが嬉しくて、つい……」
何と答えたらいいものやら、ニールは口を噤んだ。確かに、ニール、ニールと無駄に名前を連呼されるようになったのはニールの口からアレルヤに本名を伝えた日辺りからだ。その沈黙をどう受け取ったのか、アレルヤはわたわたと慌ててニールの顔を覗き込み、どこか必死な切羽詰った声で続ける。
「あの、その……貴方の新しいとこを知れたような気がした、というか……ホントはフルネームで呼びたいくらいなんですよ? 貴方が僕に直接教えてくれたのはファミリーネームだけど、ファミリーネームで呼んだら余所余所しくてそれはそれで嫌だし。でもニール・ディランディって呼んだらちょっと長すぎるかなって……あ、でもティエリアはロックオン・ストラトスとか、フルネームで呼んでるよね。あの、もしニールって呼ばれるのが嫌ならニール・ディランディって……」
長々と早口で話し続ける様子にニールは頭を掻き、アレルヤの頭をぽん、と軽く叩いた。


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