小説 | ナノ



木村の試合から2日後。今日は療養も兼ねて木村はなまえの家にやって来た。部屋へ通して飲み物をもち自分も自室へ戻るととんでもない光景が目に飛び込んできた。

「ちょ!なに勝手に見てるんですか!さっき私が戻るまで大人しくしててくださいっていいましたよね!」
「いやあ、気になってつい」

あはは。と木村は笑う。さらに不機嫌に頬を膨らませる。そう。木村が手にしていたのは本棚にしまってあったアルバムだった。母親が勝手に作って勝手に棚にしまったいまは思い出すのも嫌な生まれた頃から学生時代までの写真たち、いわゆる黒歴史のアルバム。

「なまえちゃんも一緒に見ない?」
「い、嫌ですよお!なんで見なきゃいけないんですか!思い出したくないのに」
「まあまあ、ほら、おいで」

木村が指定してきた位置へ渋々腰掛ける。アルバムを持たされたかと思えば後から包み込まれるように抱きしめられる。あまりに距離感が近くてドキドキするが平然を装ってゆっくりとアルバムをめくっていった。昔の思い出が懐かしい気持ちと蘇る。けれどやはり昔の写真を見られるのには抵抗があるが。数枚めくって木村はある写真を指差した。

「へえ。昔は髪短かったんだね」
「っ」
「どうしたの?」
「い、いえ。昔は陸上部で・・・長いと邪魔になって鬱陶しかったので・・・」

耳に、息が、かかる。熱い。実はなまえはなぜか昔から耳が異常に敏感に反応してしまう体質だった。この体制は非常にまずいと思いなんとか離れようと試みる、が、無理だ。木村の両腕に固定されて身動きがとれなくなってる。そうとは知らない木村は言葉を続けた。

「俺は短いのも長いのも好みだな。どっちもなまえちゃんに似合ってる」
「あ・・・ありがとうございます・・・」

お願いだから喋らないで。木村が喋る度に息がかかってくすぐったい。頭がじわじわと熱くなった。息がかかる度にからだ全部が溶けるようにあつかった。何も考えられず、もやがかかった思考の中からだの奥が疼くのだけ感じ取れた。異変に気がついた木村が不思議そうに声をかけた。

「なまえちゃん?」
「あ、あんまり耳の近くで喋らないでください」

耳を抑えながらそう言うなまえの顔が真っ赤で震えている姿に木村はなにかを感じ取って口の端をもちあげた。わざともう一度唇を近づけて息がかかるようにしゃべりかける。

「どうして?」
「・・・!、んっ」
「ちゃんと言ってくんなきゃ分からないなあ」
「きむらさ、やめ・・・」
「ああ、そっか。」

木村の声色が変わる。

「なまえちゃんは耳が弱いんだ」
「ひゃっ!」

ふう、と耳に息がかかるとぞくりとして背筋になにかが奔って体中の力が抜けていく。木村は弱いと分かった途端耳をせめはじめた。片方の耳朶を弄りもう片方の耳の窪みに沿ってねっとりとしつこく舐められ、じわじわと襲い来る熱の疼きに必死に耐える。途端かぷ、と甘噛みされれば思わず甘い吐息が漏れた。

「あっや、だ、だめ」

息も絶え絶えにやめてとお願いするが木村はやめようとする気配はない。このままではおかしくなってしまいそうだ。

(なまえちゃん可愛いな、食べたいな)

声を聞いていたら興奮してきてしまってムラムラする。

「えっ木村さ・・・」

首に吸い付き赤い花を所々に咲かせていく。なんとなくなにされるか察しがついたらしく身を捩って制止の言葉をかけてきた。

「今日は心身ともにリラックスする日なんですからダメですよ」
「俺の、もうこんなになってる。なまえちゃんのせいだよ」

痛いほど勃起したソレを、尻へズボン越しから密着させる。いきなりのことに身体が強張った。

「ダメです」
「そう言わずにさ」
「ダメったらダメです!今日はしない!」

しないって言ってるのにやわやわと胸を揉んでくる。荒い息を吐きながら。

「ちょ、だから、」
「なまえちゃんだって我慢できるの?」
「んやっ」

また耳責め。身体がビクンと震えた。

「知ってるよ。さっきから耳で感じてたよね。」
「ん、ふっ・・・」
「それだけで濡らしちゃって・・・いけない子」
「あぅ、んん・・・っ」

抵抗する程に、こちらの欲を煽っていることに気付かないのか。スカートを捲り上げ迷いなく手を伸ばして薄い布の上から、ぬめりと湿り気がある場所を指で何度も擦り上げる。指の動きになまえの腰が跳ねた。その反応が可愛くて、今度はわざと聞こえるようにくちゅくちゅ音を立てながら素早く指を滑らせる。

「ーーッひ、ア、ぁっ」

意味がなくなった下着を脱がせ陰部に直に触れる。赤く膨れ、固くなったそれを何度も指ではじき、押し潰して、愛液を塗りつけた指の腹で優しく撫でまわす。

「クリ、すっごい固くなってる」
「や・・・言わな、あっ、ん・・・ひゃっ・・・や、ああんっ・・・」

それを擦りあげると小刻みに激しく痙攣する。

「・・・さっきよりぬるぬるしてる・・・。相当気持ちいいんだ、?」
「っ、ひあ、やあ・・・ん、」

頬を紅潮させ、とろぉとした目で羞恥で染まった顔でふるふると首を振る。潤みきったナカへ指を埋めてゆるく動かすだけで、くちゅくちゅと卑猥な音が響いた。

「や、やめっ・・・っあ、いやっ」
「指だけでこんなに音がしてるよ」
「ひっ・・・」

逃げようとする腰を掴み、ナカをぐりっと掻き回す。反応があった場所を強く抉ると、身体が跳ねた。執拗にそこばかり刺激を与えれば、上がる嬌声もどんどん高くなっていく。ぎゅっと締め付けられていく感触に、なまえの限界が近いことがわかる。

「・・・あ、っもう、だっ・・・め、」
「いいよ、イって」
「だめぇ・・・や、っ・・・イっ、ちゃ、ああッ・・・っ!」

一際高い切ない声をあげてなまえは身体を大きく震わせ、果てた。乱れた息と、滲む涙、上気した頬がひどく艶めかしい。

「っはあ・・・なまえちゃん・・・俺、もうっ・・・」

なまえがズボンに手をかけた。

「き、木村さんばっかりするのは、ずるい、です」

木村のを取り出すとそれを口に含み舌を這わせた。筋裏から亀頭を丹念に味わうように口を動かす。徐々に口を激しく動かすもなまえの小さな口にはいっぱいいっぱいなそれは辛いものがある。薄ら涙を浮かべながら必死に口を動かした。苦しいけれど、喉元までペニスを頬張り、舌で吸い付きながら亀頭まで口で扱いた。だんだん木村の息遣いが浅くなり甘い上擦った声が。

「・・・くっ、なまえちゃん・・・っ!」

木村はなまえの頭を軽く押さえ、口内に白濁を吐き出した。熱いものが喉の奥へと流れ込んでくる。数回に分けて射精された精液をゴクンと飲み込んだ。

二人してベッドに横になると疲れたのか一気に睡魔に襲われた。木村に腕枕をされながら重くて怠い身体を預けてすりっと近寄った。そこから木村に引き寄せられさらに近づく。片手で強く抱き締められた。眠いのに気がついた木村は子供をあやす様に撫でてくる。うとうと。もうほとんど意識は遠のいてる。最後に「おやすみ」とそっと額に口付けが落とされた。
fin



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