小説 | ナノ



粘着質な音と、甲高い甘い声が、室内に響く。ぐちゅぐちゅと掻き回すように、三日月は容赦なく攻め立てた。

「ひっ‥‥、あ、あぅ、ん‥‥!」


ぐり、と指を曲げて、ある場所一点だけ中心に突けばより一層甘い声をあげ、鳴いた。どうやら良いところみたいだ。本人はいやいやと首を振って快楽から逃れようとするが、三日月はさせなかった。柔らかな腰を掴み、逃げることを許さない。


「なまえ。足、閉じないで」
「ふぅっ‥‥ん、‥‥っ、」

あまりの刺激に無意識に閉じていた足。あんな声を聞いたことがなくてあまりの恥ずかしさに自分の口を押さえ、声をだすのを我慢する。それに気がついた三日月は手をかけ、はずした。


「やあ、みか、づ‥‥き、」
「声我慢すると辛いから。好きなだけ喘いでいいよ」
「ひ‥‥!?やらあつ、そこ‥‥らめえ‥‥!」


さらに強弱が増し、絶頂の波がおしよせる。もうなにも、考えられなかった。途端、なまえの足がビク、と痙攣して呆気なく果てる。快楽の余韻が残るなまえの表情は、それはもう甘く、とろとろにとろけていて、たった今欲望を吐き出したばかりなのに反応する。


「三日月‥‥?」
「なまえはズルい」
「え?」
「いつだって俺を誘惑する」
「ゆ‥‥!?」


なまえは顔を真っ赤に、してないよ、と言う。、が嘘は言ってない。ほんとのことだ。


「なまえ」
「なによ‥‥」


恥ずかしいのかキッと睨まれたが、全然怖くない。いや、むしろ可愛い。分かってやってるのか、無意識なのか。天然ってのは恐ろしい。


「取り敢えず責任とって、」
「責任ってなんの‥‥」


煩い、となまえの唇を塞いだ。そしてベッドへと沈む。なまえを黙らせるのは簡単だ。少し、長めのキスをして、一番いいとこを触ってやる。そうすれば、ほら。


「うん、大人しくなった」




×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -