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最近はムカつくことばっかだ。特に一番ムカついたのはなまえとミカ。最近の二人はなんか変だ。距離感が近いっつーかなんか二人の周りだけがキラキラして別世界にいるような雰囲気をだしていて自分だけのけ者のような気がしてそれに腹が立つ。今日も二人でなにやら楽しそうに会話に花を咲かせていた。なまえがいなぅなったのを確認してミカに近寄る。そしてガバっとミカの肩に手を回し小声で耳元で言う。
「なまえとなに話してたんだよ」
「え?」
「楽しそうになんか話してただろ」
「なに?優ちゃん仲間外れにされて拗ねてんの?」
「んな!?そんなんじゃねえよ!」
「それともなまえを僕に取られたと思って焦っちゃった?」
「・・・!」

一瞬で優一郎の顔が真っ赤に染まる。意外な反応にミカエラはポカンと目を見開いた。まさかの予想外の反応にミカエラは口元を緩ませ笑った。実は優一郎はミカエラにそう言われるまでこの気持ちに気がつかなかった。そう。たぶん自分は二人のあの楽し気に話す姿に妬いていたのだ。のけ者にされたから寂しかったとかそんな思いではなくミカエラと二人きりで、自分の前ではあんな表情で笑わないのにミカエラの前では違う表情を見せているなまえに腹がたっていたのだ。なんて子供なんだろう。ちょうどその時なまえが戻ってくる。後姿しか見えなかったなまえは優一郎がミカエラになにか技をかけているように見えて「なにしてるの!」と走り寄った。


「あ!また優一郎ミカ虐めてる!」
「は?い、虐めてねえし!」


煩く言い合う二人の姿にミカエラはやれやれ、とため息を吐いた。なまえの背後にまわり、とん、と背中を押されて名前は小さく悲鳴を上げて優一郎の胸に倒れこむ。

「ちょ!ミカいきなり押したら危ないでしょ!?」
「ごめん」
「悪いと思ってないでしょ?」
「全く、鈍いんだから。チャンスつくってあげたんだからさっさとくっついてよね」
「え?何の話・・・」
「なまえ!」
「は、はい!」

いきなりの優一郎の大きな声に背筋が伸びる。あまりに真剣な表情の優一郎に胸が鳴った。なんだかいつもと雰囲気が違う。ぐ、っと肩を掴む手に力がこもる。

「俺ー、なまえが好きだ!」
「......ええ!?」

驚き叫ぶなまえの声を聞きながらミカエラはくつくつと愉快そうに笑った。散々困ればいい。それぐらいのこと思ったって罰は当たらない筈だ。




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