小説 | ナノ



もうすぐ。もうすぐあの人がやって来るー。


「うーん・・・よし!やっぱりこっちのやつにしよう」

お気に入りの着物を着て髪を櫛でといて整えほんのり色づく程度に唇に紅をのせる。

「あらなまえ。あなた出かけるわけでもないのにそんなにめかしこんでどうしたの?」
「だって炭治郎がもうすぐ来るんだもの」

落ち着かない様子のなまえに何かを察した。

「なまえ。炭治郎くんはお仕事しに来ているの。邪魔したら駄目よ。」
「分かってるわ!」

それでも身だしなみには気をつかう。だって少しでも可愛く見られたい。

「お祖母様の昔の着物まで引っ張り出してきちゃって・・・あなたにはもう少し淡い色の方が似合うのに」
「いいの!今日はこれがいいの!」




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