「はい皆本さんお疲れ様」
ことりと、皆本が仕事をしているデスクの横に淹れ立ての紅茶がはいったカップをおいた。
「少し、休憩しませんか?」 「ありがとう。そうさせてもらうよ」
皆本は手を休ませるとカップに口をつける。疲れたのか首と肩を動かす皆本に申し訳なさそうに眉をさげた。
「ごめんなさいわたしが手伝えたらよかったのだけれど・・」 「謝る必要はないよ。それに君には薫たちの面倒を見てもらってるし・・」 「みんないいこ達ばかりよ。たまに薫ちゃんには胸を揉まれそうになるけど」 「・・はは」
まったく薫は、という表情を浮かべながら皆本はもう一度口をつけて飲みこんだ。ハーブの独特な香りと味が上手い具合に砂糖の甘みとマッチしている。ハーブもただ一種類だけではなくて何種類のハーブが調合されているな、なんて考えてしまってそれを見透かされたのかふふふ、と笑われた。
「気に入ってくれたのなら今度教えますね」 「美味しかったよごちそうさま」 「ふふっ良かった」
カップを片し、手に持って座らせていた腰をあげた。
「じゃあ私はそろそろ・・仕事の邪魔したら悪いので」
身を翻し、歩こうとした瞬間違和感を感じて足を止めた。皆本の手が手首を掴んで離さなかったのだ。不思議に思い、小首を傾げる。
「その、・・・もう少し、」 「・・・!」
皆本の頬が赤く染まり、自分も伝染するかのように、頬だけじゃなく顔全体が熱くなる。久しぶりに繋がれた手も熱を帯び、なんだかくすぐったかった。
「でも皆本さんからそう言ってもらえるなんて嬉しいです」 「僕だってたまには、ね・・」 「私は毎日でも、・・・ん」
皆本の唇が重なる。いままでのぶんを埋めるかのようなキスに吐息を洩らした。
「・・・っは、まっ、て・・皆本さ、」
拒むのを許さないように柔らかな腰を抱き寄せ、頭を固定した。苦しそうに顔を歪めているがどうやらいまの僕にはそんな余裕はないらしい。彼女が欲しくて堪らないのだから。
邪魔な眼鏡を外して、もう一度愛しい彼女に唇をおとした。
チークはささやかに title:she
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