06:37 木村
「一体いつになったらら俺のこと名前で呼んでくれるようになるんですかね」
「時の流れの中で」
「呼ぶ練習しようよ」
「え・・・いいです」
わかりやすいぐらい落ち込んでる。名前呼びにこだわりすぎじゃない?ふう、とひとつ息を吐いて雑誌を置いた。隣でなにやら独り言を言う木村の頭を優しく撫でてやる。
「誤魔化そうとしてるでしょ」
「あ。ばれた。」
「俺は何回も呼んでるのに!」
「もう鬱陶しいです、呼ぶのが遠くなりますよ」
「!」
あ。今のはまずかったかな。でも、そんな急かすように言うからついムキになってしまって。待たれたら呼びにくい。視線をあわせるのさえ、いっぱいいっぱいなの、知らないでしょう?
でも、さすがに可愛そうだから、今日は特別、ですよ。
「・・・そのうちいつかきっと呼びます。ねえ?達也さん」
にこり、微笑みを浮かべている自分とは反対にポカンと口を開けて間抜けな表情をしてる彼。写真撮って皆んなに見せてやりたいくらい酷い顔。
反応が面白くて可愛くてついからかっちゃう。それ言ったらきっと怒るから言わない。