ある日彼女は俺に相談があると言った。いつもの笑顔は何故だか消えていて、何だか難しい顔をしながら甲板にて昼寝をしようと寝転んだ俺に話しかけてきた。そういえばあの日は異常に天気が良くて、良い事があるんじゃないかなと俺の気分も良かったな、なんて思い出す。

「ねえ、エース」
「んー?」
「最近ね、私エースの事見てると動悸が速くなるんだけど何でかな」
「まじか」
「うん」

動悸が速くなるとか重い病気なんじゃねェのかってあの日は凄く心配したし、焦った覚えがある。でもそういえば自分も彼女を見てると動悸が速くなるっつーか心臓が痛くなるっつーか…何かすげーどうしようもない気持ちになってむずむずしてた。けど、何か心当たりがあって、そういえばサッチが前、俺に「愛」が何かを力説してたのを思い出した。あの時確かサッチは相手を愛したらそいつの事しか考えられなくなるって言ってたっけ。心臓がぎゅうって痛くもなるって言ってたっけ。

何かあの時は力説するサッチが本当馬鹿馬鹿しくてあのくされリーゼントと共に鼻もチョップで折ってやろうかと思ったけど、何か今なら分かる気がする。今、俺こいつの前に居てドキドキするし、何か心臓痛ェし。

「あのさ、」
「うん?」
「俺もお前見てると心臓痛くなる」
「うっそ!私達、病気なのかな?どうしよう、不治の病とかだったら…!」
「何かよく分からねェけどよ、」
「けど?」
「多分これって『愛』なんだと思う」
「愛?あ、あのラブ的な?」
「おう」
「へー…そっかー、これが愛なのかー!」
「俺も知らなかったけどよ、お前見てると心臓がぎゅって痛くなるし、お前がマルコとかと話してると無償にイライラするし…多分俺、お前が好きなんだと思う」
「あー…そっかあ。これが愛って言うのか、知らなかったなあ」
「俺も…何か俺、多分お前の事すげー好き」
「私もエースの事大好き」


二人は愛を覚えた

なんて愛が何かも知らなかった昔の俺達。今になっては愛してるばっか言ってくるこいつを俺は昔以上に愛しく思ってしまう。



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エースで「二人は愛を覚えた」。
Loving! Love! Loved!様へ提出。
(20101103)



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