△ドルオタ女と金丸くん1
「ねえ、金丸くん。教えて欲しいことがあるんだけど……」
「勉強なら知らねーぞ」
「そうじゃなくて、三次元の愛し方が分かんない」
「………」
「………」
「……は?」
「ごめんね。おかしいかもしれないけど、真面目に言ってるんだ」
「いや、こっちは冗談であってくれって思ってるけどな」
「残念ながら、本気です」
「残念過ぎんだよ!」
「あのね」
「なんだよ」
「私、東条くんのこと、気になるって言いますか……」
「お、おう」
「最初はね、自担に雰囲気が似てるからだと思ってたんだけど……」
「ちょっと待て」
「あ、自担って言うのは推してるメンバーのことで」
「そうじゃなくて、待て」
「金丸くん、目がこわい」
「普通に東条が好きで付き合いたいから協力してほしいって流れならまだ分かる」
「なにいってるの!そんなおそれおおい!金丸くん、アイドルと付き合えるなんて夢のまた夢なんだよ?」
「テメーが何言ってんだ。東条は別にアイドルじゃねーよ」
「そっか」
「そうだろ」
「じゃあ、コンサートに行くとか」
「ねえよ。試合見に来いよ」
「ファンレター書くとか」
「ラブレターでいいだろ普通に」
「会報はある?」
「あるわけねーだろ。近況は本人に聞け」
「じゃあ握手会とかは?」
「お前マジであいつをなんだと思ってんだ」
「ないの?」
「んなこと仲良くなってから頼め」
「もう、本当に分かんないことばっかり……三次元こわすぎ……」
「どんだけだよ!仕方ねーから鍛え直してやる!」
「……ふふっ」
「なにがおかしいんだよ」
「金丸くんって、なんだかんだ優しいよね」
「別に優しくねーよ」
「私は東条くんだけど、金丸担見つけたら紹介するね」
「だからそれまずやめろ」
←161128 00:49