△鳴と樹の総選挙について

「あーむかつく!」
「へー」
「お前、幼なじみが機嫌損ねてるんだからさ、もうちょっとかまうとかないの!?」
「いや、触れるべからずかなって」
「最近樹が反抗期でさー」
「ほら勝手に話し出す」
「いいじゃん別に!」
「てか、年中反抗期みたいな鳴がそれを言うか」
「うっさい!」
「で、なんで?ケンカでもしたの?」
「違うって、なんか、あるじゃん。総選挙みたいなやつ」
「あー、アイドルの?テレビでやってた」
「そうそれ!」
「樹くんまゆゆ好きだもんね」
「テレビの前で正座しててさー」
「浮かぶね、その図」
「話しかけたら静かにしろだよ?」
「おお、言うじゃん樹くん」
「この俺に向かって!そんな態度とれるんなら、グラウンドでもうちょっと強気になってみろって感じじゃない!?」
「でも、なりつつあるんでしょ」
「百万年早いよね!」
「百万年先もバッテリー組んであげたら樹くん喜ぶと思うな」
「は?何言ってんの無理に決まってんじゃん」
「えっなんかごめん」
「あーまだイライラおさまんないから、ちょっとお前も同じ目にあってきてよ」
「いやだよとばっちりは!」
「とばっちればいいじゃん!」
「でも、こないだ樹くんに『まゆゆと私どっちが好き?』って聞いたら悩んでたよ」
「はあ!?嘘でしょ!」
「嘘です。『先輩が俺にとってのアイドルです』って言われたいな〜って気持ちから出た嘘です」
「つら!」


160910 00:41



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