夕暮れ日和 


 狼男・アッシュは悩んでいた。
メンバーの健康管理を始めて早幾年。
生活時間・習慣が人間寄りの自分と、夜の生き物である彼らとは、思ってた以上に隔たりが有る。

 「何を作ればイイっスかね……」
 家庭料理と呼ばれる物は、既に一通り作ったつもりだ。

「ユーリさんの好物って何スか?」
結局。
透明人間のスマイルが喜ぶカレーを作り配膳しながら、さり気なく訊いてみた。
「そんな物、訊かなくても解りそうだが」
スプーンを掴んだ吸血鬼・ユーリは尖った牙を見せて答えた。
「そうっスよね……。ユーリさん血ィ吸いまくりっスよね……」
いじけてブツブツ言うアッシュに、悪乗りするスマイル。
「大丈夫ダヨ〜。犬の血は不味いらしいからアッシュは安全ダヨ〜」
「犬じゃ無いっス!! 狼っス!!」
「ヒッヒッヒ〜♪」
涙目で抗議しつつ、アッシュはテーブルの上、正確にはユーリの手元を二度見してしまった。
大きめのプラスチックカップに入ったクリーム色の物体が、堂々とユーリの手に握られている。



「ユーリさんの好物って……


プリンっスか……?」

20050115(?)




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