▽ 8話
※この話は裏(R18)を含みます。また暴力的な表現があります。その上でご拝読ください。途中で飛ばしても次話(2)に繋がります。
ギルは私を抱きかかえたまま部屋に入ると、そのまま寝台に私を寝かせた。
「ありがとう」と言うと、ああ、と短く返す。私が意識を失ってしまったことを、彼は私よりずっと気にしているようだった。
彼も寝台に上がり、横になって頬杖をついた。私を見下ろしている彼に「ごめんね」とささやいた。
「私が忘れていたせいで迷惑かけちゃってごめんなさい。もう2度とあんなことないようにするから。昼間はちょっと楽しすぎて…」
「そんなにあやつの話が面白かったか?」とギル。
「うん。貴方たちの冒険を知れて楽しかった。私の全然知らないギルがいた。」
そうか、と彼は私の顔をじっと見ながら、遠い目をした。
「お前が知っている我は、王として間もない頃だからな。愉快な冒険もしたし、血生臭い戦いもあった。…今の我は、ほとんどお前の知っている我ではないのだから。」
彼が私の肩に手を伸ばす。大きな手だった。剣を握る、完成された男のひとの手。記憶とはちがう手の感触に、おもわず肩がびくりと震えた。
ふるえた肩を見て、彼は私の顔をのぞきこんだ。「…怖いか?」
「ううん」
即答した。
しかし、なんとも言いがたい間が流れる。怒るわけでもなく悲しむわけでもなく、ギルは私を見下ろしていた。その目に自分の心が見透かされているような気持ちになった。
私のとまどう心。昼間のエルキドゥの言葉を思い出す。
『ギルは統治のために犠牲を出すことをいとわなかった。慈悲を求めた相手を残酷に殺したこともあった。民を冷徹に苦しめたこともあった。』
ギルは、私にどうあって欲しいのだろう。彼の行いを知らない生前の関係。でも私は全部ではないが知っている。知っているのに黙ったまま彼のそばにいることに違和感が強くなっていた。
「……あやつは、話したのだろう?」
ギルはついに言った。「エルキドゥは黙っているような者ではない。お前も我が暴君であったと、それ以上に冷徹で無慈悲だったことを聞いたのだろう。」
「…うん。」
私は頷くことしかできなかった。
そのまま言葉を続けられない私に、ギルはとつぜん目つきを鋭くした。強い威圧感。王としての存在感が私にのしかかってくる。
「この姿の我に、恐怖を感じるのなら…」
射抜くような目線だった。「じっとしていろ」
そのまま私の体を跨ぐと、逃げられないように両肩を掴み寝台に抑えつける。
そして戸惑って薄く開いた私の口に、噛み付くようなキスをした。熱の塊のような口づけ。息を漏らそうとすれば、舌が強引に入ってきて、乱暴に口の中をかき回す。胸を押して抵抗したが口づけは深くなるばかりで、頭の中まで濡れるような音が響いた。
ようやくキスから解放されると、私は涙でゆがむ彼に「どうして急に」と問いかけた。
「我がしたいと思ったからだ」
ギルは昼間と全く違って情欲に満ちた目をしていた。「その目は、分かっているのか?もう一度して欲しいと言っているようなものだぞ」
そのまま、私の服のあわいに手を差し入れる。驚いた私の首筋に彼が噛み付いた。ぬれた感触に甘い痺れが走った。
「これで終わりだと思ったか?この体は初めてだろう、じっとしていれば優しくしてやる。」
「いや…っ」
抵抗したが両足は彼の重みで動かず、両手は軽々と片手で封じられる。頭上に押さえつけられた。
むきだしになった私の胸元に唇の雨をふらせる。私が抵抗の声をあげれば、彼は肩に噛み付いた。何度も何度もしつけるように噛み付かれ、それすらも甘い痺れになる。途中まで「なぜ急にこんなことをするのだろう」と抵抗した。だが与えられる刺激に思考はとろけていく。
大きな手のひらで胸の膨らみを包まれ、彼の唇が胸、腹、腰へと下がっていった。服が巻き上げられ、ふとももに手のひらが触れた瞬間、びくりと体が大きく震えた。
彼は両足を開かせ、あいだに体を割り込んで閉じれないようにする。いつの間にか手は自由になっていたが、体が熱くていうことを聞かなかった。
そのまま、彼は私を赤い目でみつめながら、自分でもめったに触れることのない場所を大きな手でなぞり上げる。布越しに濡れている感触が伝わって、にやりと彼は笑った。
私の心臓の鼓動が速くなる。
ギルは再び私の唇を奪い、そのあいだに下着を脱がさないまま長い指を秘部に入れた。ゆっくりと沈めるようにギルは人差し指を根本まで入れると、指先で中をさぐった。違和感を感じさせないように、快楽を得やすい胸の先端を空いた手の指でこねる。うずきが胸も下腹部からも生まれ、身体が支配されていく感覚に酔いそうだ。
中のある一点を指がかすめたとき、身体がびくんと跳ねた。身体の奥底から得体の知れないものが湧き上がってきて、口から高い声が漏れる。ギルは満足そうに唸ると、同じ場所を何度も何度も指でかすめる。指の動きは次第にはげしくなる。得体の知れないものが膨らむにつれ、全身をめぐる血潮が体を沸騰させていく。
「あ、あぁっ…んっ、っ」
もはや声も抑えられなくなった。しかしそんな逃げ場を失った私をギルは容赦しなかった。激しく指を動かしながら、敏感な花芯を残りの指できつく摘んだのだ。
「いやあっ…ああっ」
胎内で熱の塊がはじけ、大きな息を吐きながらひときわ激しく果てた。
ギルはその後も私を高みに押し上げながら、指を一本ずつ増やした。三本の指を交互にうごかして快楽を極めた奥をほぐしていく。
やがてぐったりとした私を起こし、上半身にからみついていた衣服を脱がせる。一糸まとわぬ姿にして寝かせると、自らも衣服を脱いだ。
彼のたくましい体には赤い刺青がはしり、なめらかで美しい筋骨が王者の風格を与えていた。その姿は戦いの最前線で自ら剣を振るう覇者のものである。
そして私に再び足を開かせ、腰を据え直す。熱くて太いものが秘所にあてがわれ、彼が何をしようとしているのか分かった。逃げようとする腰を、彼は自分につなぎとめる。
熱い塊が、胎内に入ってくる。彼の指3本より大きいものが。
「あ、ああ…っ」
押し広げるような感覚に、胎内が戦慄いた。ギルは目を細めながら、ゆっくりと中を研ぎ、すこしずつ奥に入ってくる。内臓を突き破るような熱い塊に、恐怖がこみ上げる。口をひらき浅い呼吸を繰り返す私に、ギルは覆いかぶさって唇の呼吸まで奪おうとする。
やがて、何かに突き当たった。これで終わりかとホッとするが、ギルは私の腰を掴み直し、さらに奥を突き上げた。
「やっ、あああ!」
「抵抗すればもっと激しくするぞ。このまま動く」
彼は笑いながらいったん腰を引きいた。そして再び奥深くに進める。大きく腰をひいては突き進んできて、速度も次第に速くなっていく。
「ん、ふ、ああ…っ」
そして先ほど指で何度もこすられたところを重点的に押し上げ、しだいに甘い痺れが胎内に積み重なっていく。それを快楽だと意識し始めると、身体が貪欲にそれを欲しがり、彼の塊を締め付ける。
「気持ちよさそうだな、名前、」
ギルは荒い息を吐きながら腰をやり、私の胸の先端を口に含む。体内と胸、それぞれ別の場所が気持ちいいのに、全身の快楽が溶け合って体の奥に集中していく。
「そろそろ、イくぞ…!」
切羽詰まった声で耳元にささやきながら、ギルは結合部に手を伸ばし、濡れそぼった花芯を指でつぶした。彼の塊がさらに熱くなり、力強く私の奥を突く。
「あああっ…ああっ!」
視界が真っ白になり、足を突っ張らせながら胎内をきつく締め上げた。己の分身を締め付けられたギルが、唸りながら、胎内に熱いものを吐き出す。
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飛ばして読む方のために2つに分割しました。
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