▽ あとがき・おまけSS
『星の器』を読んでいただき、ありがとうございました!星の器=ギルガメッシュのことです。
最初は、「言葉の通じない主人公が子ギルにぎゅ〜っとされてるシーンを描きたい!」という発想からでした。そこから、なんで主人公をギルがそこまで気に入るんだろう?じゃあ、未来視で死相が見えることにしよう。死相がみえない特別な女の子。最後に主人公の死相が見えるようになって、「ああ、この子は残ることを決めたんだ」というシーンが浮かんだのですね。そのあとシュメール神話をよんで春の祭典が書きたくなりしました。
■オリジナルキャラ
@祭祀長(アルマ)は“良い人なんだけど「何かがズレてる」”悪役です。
ある小説の “人は欠点ではなく美点によってより大きな悲劇の中に引きずり込まれていく”という一節を読んで、「真面目で責任感があったからこそ主人公を消そうとする」キャラにしました。
A学者さん。彼が一番初めに「ギルガメッシュを人間として育てる」ために主人公が大事なんだと言ってくれた人です。
B神官長(のち祭祀長)
味方になってくれる人。母性を補う存在です。
■主人公
主人公は浮力魔術が使えます。でもこの浮力、テラスから侍女たちに落とされそうになったとき使えたのでは?あのときはとっさに思い浮かばなかったのと、主人公は物を浮かせるぐらいの力しかないので、衝撃を相殺できないのではないでしょうか……と言い訳してみます。
■いろいろ
・イシュタル、金星、明けの明星
夜明けに輝く金星を「明けの明星」といいます。春の朝方に輝くイメージがあったのですが、あれは年によって夕方に輝いたり、明けになったり、いろいろするらしいです。
・水に入れる儀式
実際にシュメールにおいて川の神は神聖で(ティグリス・ユーフラテス河)、容疑者を川に投げ込んで有罪か無罪か決めたそうです。これがのちの魔女裁判に繋がった可能性も? 沈んで無罪だったら、無罪でも死ぬんでしょうか?
終わりに…
最後までつたない文を読んで頂き、有り難うございました。力不足で申し訳ないです。でも実は小説を最後まで書ききったの初めてです。書き切れたのは、FGOという魅力的な作品、読んでくれた人のおかげです。
ご拝読頂き、有難うございました!
↓↓ おまけSS ↓↓
5日目はヤギの生贄が捧げられた後に、王が儀式的に退位する。式典が最高潮に達すると、王は祭司たちによって王権の象徴物を奪い取られ、打ちすえられ、罵倒された。その後彼はうやうやしくマルドゥク神の像の前に跪き、彼が王としての任務において暴政を布き、不正であり、職権を乱用したという全ての罪業を否認した。
この儀式は奇妙な儀式で終了した。すなわち、祭司は王を強く平手打ちしたのである。もしこの行為によって王が涙を流すと、良い兆候であるとされた。
『オリエント神話』ジョン・グレイ著
〜主人公がくる前の儀式〜
祭司:さすがにこんな幼い王様に可哀想…!平手打ちもペチっと。
ギル:無表情。
〜主人公が生贄にされた直後の儀式〜
ギル:「ふ……今の僕を罵倒して殴るなんて…(ブツブツ)」
祭司:ちょ…めっちゃ王様怒ってるんだけど!怖くて殴れない!
〜慢心に成長したギル〜
祭司:
「今年の王様への罵倒リストを作ってきました。…処女好き、気分屋、プライド高すぎ、慢心しすぎ…」
ギル:(儀式だから黙って静かに聞いている)
祭司:「これは儀式だから仕方なく言ってるので。
最後に王様に平手打ち…行っきます!
――泣けぇ!!」
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