お弁当シリーズ

あとがき

<あとがき>

『お弁当シリーズ』を読んでいただき、たいへん有難うございました。
まさかの長編になってしまい「最後収拾つくかな〜」と悩んでいましたが一応終わることができました!

■展開について
ZERO後のキャラたちを、お弁当を通して癒していく…(癒されていない人もいるが)…というのが今回のコンセプトでした。とはいっても、最初にうかんだのは“謎の美少年がお弁当を食べている主人公を励ます”“大人になったギルとわくわくざぶーんに行く”という2つのイメージだけで書き始めました。
そのうちに「コ●ンくんか!事件モノにしよう」と主人公をいじめる展開を入れ始め(すみません)、「事件巻き込まれすぎ…なんで冬木でこんなに事件起きるんだか。あっ聖杯が悪いやつを招き寄せてることにしよう」と、聖杯事件に膨らんでいました。

いつも初めに5話書いてから更新し始めるので、その当たりでストーリーが自分の中で固まってきます。
最初は切嗣や綺礼、ウェイバーが出てくることを全く想定していなかったので、書き始めてから「切嗣とウェイバーって会ってないっけ?」とかTYPE-MOON wikiやアニメを確認するドタバタぶり。毎日書きながら忙しかったです。
そう思ったら、11話を書いているあたりで息抜きに見た“エルメロイU世の事件簿”第1話でライネスが「聖杯戦争から半年で教室を買い取った」と発言していた…!
土下座。きっと私が知らない間違いがたくさんあるんだろう。怖くてアニメも小説も読めないですが、最後まで読んでくれた優しい貴方ならスルーしてくれると信じています。

■主人公と2大テーマ
今回の主人公は理想的ヒロインではありませんでした。
初話で恋人を失ったにもかかわらず彼の話をあまりしないし、すぐ男性に舞い上がるわ、騙されるわ、でも見た目は良いという設定にしたので、主人公にヘイトを感じてしまった方はすみません。
それでも彼女を主人公に置いたのは、色々なトラブルに巻き込まれてしまう日常を表現したかったのと、切嗣たちが協力する展開に持って行きたかったからでした。
また設定がOLさんだったので、成長よりも“自分をみつめなおす”ことをシリーズの最終目標に置きました。
最大のテーマは、“死者への思いをどう受けとめていく”か。そこは、主人公、ウェイバー、切嗣が共通するところでした。その姿を死者であるギルを通して見る、っていう複雑な構造。綺礼は何も持っていないので、共感できずに終わってしまうのです。

■各事件振り返り
・1〜3話の黒川先輩
こんな先輩は●病にかかってしまえばいいと思っています。もしくはハゲるがいい!でも職場でうけたハラスメントをなぜ言えないのか、どうして発生するのか、考える機会が多いので書きたかった回でした。
・4〜5話 衛宮邸
切嗣が見た目のせいで勘違いされる。犯罪者がどんな姿かはわからない、という回。
・6話/7話 凛ちゃんとプール
これは単純に私が凛ちゃんを好きなので書きたかっただけ笑。葵さんのプロフィールに「水泳好き」とあったので、わくわくざぶーんにも行ってもらいました。欲望回。
・8〜13話 聖杯
ZEROキャラの内面に向かっていく話でした。
教授の設定は、ZEROキャラとかぶるようになっています。
▲ギル: 他人と違う価値観。でも自己満足ではない。
▲切嗣: 聖杯をもとめた。でも自分の正義のため。
▲ウェイバー:自分を満たしたい。でも満たし方は違う。
▲綺礼: 他人と違う価値観。彼は共感してしまう。
この4人がどんなふうに事件に関わるか悩みました。“聖杯を求める”は全員に共通することです。教授の姿をどうとらえるのか。ZERO後の彼らの心境を考えながら書きました。
表現力不足で伝わったかわかりませんが、13話でそれぞれの想いが伝われば幸いです。でもアイリの話とかとつぜん出てくるので、ZERO見てない人とか「何?」ってなるんだろうなあ…。そんな人は読んでないと思おう涙。
 キャラをキャラらしく最後まで描ききること。本当は主人公とギルをくっつけたかったのですが、弓ギルという扱いきれないキャラも好きなので、こんなラストでした。

■最後に
 この作品は、事件モノ、大勢のキャラ、苦手なタイプの主人公、など頑張って書きました。稚拙な表現で不快にさせたり、何を言っているのか分からないシーンもあったと思うのですが、ここまで読んでいただけて本当に感謝しています。
 みなさんの“お弁当”はなんですか? 優しい記憶とあなたが一緒にあることを祈ります。


■参考文献
『FBI元心理分析官が教える危険な人物の見分け方』
メアリー・オトゥール著
『ラブリー・ボーン』アリス・シーボルト著

よく聞いていた曲『茜さす』Ameir


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