偽りのカレンデュラ 



 砂のように崩れ落ち、床に両膝をつくと同時、背後からあたしを抱き抱えたのは、痩せすぎだと嘆息される日もあるだろう、しかし、きっと誰よりもたくましい人なのだろう、小池敦子だった。

 背中には、柔らかな胸の体温。

 お腹には、細い細い腕の体温。

 首筋には、滑らかな顎の体温。

 なのに、昆虫が涌かなかった。

 心地よい。

 心地よいと、屈伏させられる。

 生きる……薔薇のプライドに。




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Nanase Nio




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