偽りのカレンデュラ 



 そして、いつもと同じような淡い太陽に照らされた今日がいつもと同じ角度で終了へと向かった。

 例外を除いて、今日も無事に済んだ。





来 瞳
Section 4
花 冠カカン





 すぐに、ママから夕飯の点呼を受けた。来瞳くるめちゃんも食べてくんでしょ?──1階からの大声に手品のように跳ね起きると、待ってましたという満面の笑みで、

「もちろんですぅ!」

 さっきまでのしんみりが嘘のよう。こういうところがママウケのよい所以ゆえん

 あたしにはとても真似できない。

 できっこない。


同日 〜 2010/06/07[Mon]18:56
東京都品川区西五反田 - 大城家の食卓


「死線館」のシの字も見つからないまま、諦めたまま1階におりると、すでにパパも帰宅していて、食卓で肉を焼いていた。焼き肉やしゃぶしゃぶの投入係は昔からパパの役目だった。

「肉っスか!? マジっスか!?

 社交辞令でも御為おためごかしでもなんでもなく、本心から嬉しそうに、いつもどおりに揉み手までしながら来瞳。

「いらっしゃい」

 奥二重を柔らかくしてパパが出迎え、

「来瞳ちゃんはここ」

 茶碗を片手にママが席を指定。あたしの左隣。もうすでに椅子までが用意されてあった。かつてはおばあちゃんの座っていた席に、おばあちゃんの物だった椅子が。

 あざまぁす!──早口で礼を言うと躊躇なく腰をかけ、

「ヤバいス。牛さんス」

 パスタ好きにしか見えない上品な外見の少女は、やっぱり揉み手をしながら円盤の焼き肉用プレートを覗きこむ。もうもうと顔面を包みこむ白煙がこれほど似合わない女もなかなかいない。

 来瞳の両親は共働き。しかも就労時間の変則的な会社なために、いつも娘の夕飯に間にあわない。昨年の春までは姉が夕飯を用意する係だったそうだけど、大学進学とともに自宅を離れたせいで、温かい夕飯をつくる人間はいなくなった。毎朝、母親のつくり置きしておいた朝ご飯をレンジへとかける習慣が続いている。

「料理すればいいのに」と言うと「いつあたしが文句を言った?」と返された。困って文句を垂れる者だけに料理のできる権利は与えられるのだとか。困っていないわけだから「料理すればいいのに」などというお世話を述べられる筋合いはない──ハンドベルで怒られたあたし。そのクセ、こうして我が家の夕飯にありつけた時の笑顔が尋常じゃない。

 あまり口数の多いほうではないパパが、黙々とあたしたちのいる側のプレートへと滑らせていく諸作品を、挨拶もそこそこに来瞳は口へと放りこむ。そして、うへへへ──理知的な顔を崩しながら美味しそうな笑みを不気味に浮かべる。

 本当に美味しいものを食べると、筋肉という組織は弛緩するのだそう。来瞳の持論だ。だから、テレビのグルメ番組で眉間に皺を寄せながら述べられたレビューは、あれは嘘っぱちなのだそう。己を美食家に見せようとする芸能人の潜在的なテクニックなのだそう。なんかわかる気がする。

優奈ゆなさん、忙しいんだって?」

 たった3種類しかないタレになぜか迷いながらママが尋ねる。

「6〜7月は書き入れ時だって言ってた」

 優奈とは来瞳の母親の名前で、ママとは昔から交流がある。小中高校とあたしたちが同じなのだから接点ぐらいはある。

 口をもちゃもちゃと弛緩させながら、

「そうなんですよぅ。やっぱり夏の直前がいちばん売れるみたいで」

 肉を凝視して答える来瞳。

「しかも社長さんが帰ってこないと仕事をあがらせてもらえないみたいっス」

「ワンマン社長なんだ?」

「みたいスねぇ。取りつけ工事もやってる社長さんらしいんですけど、もうワンマンすぎて社員さんがどんどん辞めてくらしいです。今じゃ、バイトを雇わないと工事が成り立たないみたいで、帰社も9時とかがフツーっていう」

「しかも書き入れ時。うわぁ大変」

 同情しながらもまだタレは決まらない。その間にあたしは中華風味を入手。

「ウチのエアコンも買い替え時か?」

 自分のはしでなく投入用の割り箸を忙しく動かしつつ、ぼそっとパパがつぶやいた。そこでようやくエアコン屋のトークだったことに気づく。要するに、来瞳の母親は経理かなにかを担当しているのだろう。

「はぁ? まだ壊れてないじゃんよ」

 やっと醤油ダレを手にしたママが上下にシェイクしながら反論。

 買い替えてからの結末を思わず想起してしまうし、壊れるまで使おうとする発想もまた、取りかえしのつかない未来が必然に描かれてしまうわけで、あたしはどちらの案にも賛成できない。

 所有しないに越したことはない。

 おかげで、パソコンや携帯電話もいずれ壊れるんだと思ってしまい、さっそく胸がそぞろになった。メシが不味くなる会話はやめてほしい。

「光熱費を考えたら」

 相変わらず肉を見つめたまま来瞳、

「今時のヤツがお得みたいっスけど」

 小皿へとノールックでタレをおかわり。イタ飯屋の似合う風貌はとっくに色褪せている。親友だけが見られる特権。

舞彩まいは?」

 骨休みの発泡酒を飲みながら、それでも割り箸だけは離さずにパパが問う。

「舞彩の部屋にエアコンは」

「いらない」

 即答。夏バテを嫌わず、むしろ委ねていれば夏ぐらいは乗りきれる。バテるのがイヤだからこそのエアコンなのであって、あたしはべつにバテていい。バテることに躊躇いがないんだから所有欲は湧かない。特に、あたしは電化製品にはナイーブだ。

 困って文句を垂れる者だけに涼む権利は与えられる──あぁ、そういうことか。

「舞彩は生活的な色気がないからねぇ」

 やっと肉から視線を外すと、口の周囲を指で拭いながら来瞳は椅子にもたれた。

 ぎ ぃ

 脚が鈍く軋んだ。

 身体が硬直する。

 壊れかかってる。

 エアコンの所有なんて夢のまた夢。箸を止めたナーバスな戦慄を誰にも悟られないよう、じゃあご飯は壊れても平気なのかよ──食事する矛盾を心にツッコミながら、手を焼き肉のタレへと伸ばした。

 タレの瓶を慎重に上下させながら、ふと茶棚に目をやった。ママの背後、あたしのおヘソの高さしかない小さな棚。

 天板には乳白色の電話機と厚いメモ帳、鉛筆が1本だけ立てられてある梅こぶ茶の空き缶が据えられてある。

 見慣れた装飾の中、今日は珍客がまぎれこんでいた。

「あんなところに花なんてあった?」

 赤に黄を混ぜたような、鮮やかでいて、なおかつ落ち着きのある暖かそうな色彩の花が、直方体の小さな緑の鉢に1輪だけ、ひっそりと息を殺していた。小振りだが、マーガレットを思わせるほどに主張の強い花瓣はなびらを持っている。

 ママも上体をねじって見やる。

「あぁ、お向かいさんにもらったの。庭に咲いた花なんだってさ。で、近所に配って回ってるみたいで」

「武田さん、だっけ?」

 花を育てるのが趣味の奥さんで、自慢の花を近所にプレゼントする趣味もある。

 花。あたしには信じられない趣味。

「金盞花っていう花なんだってさ」

「キンセンカ」

 聞いたことがある。でも詳しくはない。そして興味はもっとない。

 ふうん──愛想程度の反応を落とすと、思い出したようにタレの蓋をあける。目を花から外して小皿に注いだ。おかわりするほど減ってなかった。

 すると、

「金盞花って」

 肉を頬張りながら来瞳が言う。その瞳は肉ではなく、あたしを透過した向こう側にあった。

「別名が神秘的なんだよね」

「べつめい?」

「別名っていうか、学名っていうか」

 もちゃもちゃと品のない食べ方。

「学名? なんて言うの?」

 それでも、円らな瞳に宿る花は、きっと上品なたたずまい。



「カレンデュラ」



「え?」

 また、箸が止まった。

「カレン、デュラ?」

「ん。暦って意味で、確か、カレンダーの語源でもあるんだよ」

 再び花を見る。

 白い壁紙の手前、鮮やかなオレンジ色が揺らぎもせずに立ち尽くしている。

 カレンデュラ。

 案内人の女の名前。

 たったそれだけのことなのに、なぜだか、あたしには恐ろしく不吉なもののように聞こえた。

 なんだろう。

 なにかが引っかかってる。





    










昔々。

空を仰ぐことの好きな少年がいました。輝く陽光を瞳に昇らせられれば胸が踊り、日没とともにまた悲しみへと沈みます。

彼の愛したものは、太陽神でした。

やがて、太陽神もまた熱烈なまなざしを向わけてくれる少年を愛し始めます。唯一の神が人間に感化されるなど、それはまるで罪を犯すかのような背徳。しかし、太陽神は真剣でした。

ところが、そんな太陽神に対して、常に共にあった雲の神が嫉妬に狂います。仰ぐことしか能がない人間ごときが、神に恋をするなどと。

身の程を思い知らせてやる。

雲の神は己の身体を厚く膨らませると、少年との間を遮りました。太陽神を自分の背後に隠してしまったのです。そして、その妨害はおよそ八日間にも及びました。

少年は、余りの淋しさに苦しみました。まさに眠れぬほどの闇夜が永く永く続くのです。悲しみの涙は気休めの暇もなく止め処なく流れ、掻き毟る胸は赤く爛れました。

片時も休むことなく焦がれ続けます。そして少年は、ついに、淋しさと悲しさの深淵に沈んだまま息絶えてしまいました。

悲嘆に暮れたのは太陽神も同じでした。キラキラと輝くまなざしを向けてくれる少年は、もうどこにもいません。そして、絶対的な唯一神として、人々からただ畏怖される日々へと再び戻るだけなのです。

哀れみ悼んだ太陽神は、せめて墓標をと……二人の大切な記憶をと、少年の亡骸を一輪の花へと変えました。

永久に変わらぬ、愛の証に。

金盞花へと。










〜 8月24日の誕生花 〜

金盞花きんせんか





英名:Pot Marigold
   Common Marigold
   Calendula


学名:Calendula Officinalis

別名:カレンデュラ
   ポットマリーゴールド
   長春花 (ちょうしゅんか)

備考:キク科キンセンカ属。原産地は地中海沿岸。春咲きの一年草として扱われますが、宿根草のものは越冬をし、「冬知らず」と称されて市場に出回ります。葉の長さは5〜18pの単葉。花径10pほどのオレンジ色や黄色の花を咲かせます。花容は一重、八重、または中心に黒いスポットのあるものなど、多彩なバリエーション。日本では観賞用として知られていますが、ヨーロッパでは、原種がハーブのひとつに数えられるエディブルフラワー (食用花) です。また、この花から採れる軟膏は皮膚病の治療薬になるとも考えられており、中世の頃には眺めているだけで視力回復に効果があるとも考えられていました。



花言葉:別れの悲しみ / 悲嘆 / 寂しさ / 失望











    





 ネットで調べてわかったのはここまで。カレンダーの語源なのかどうかまではよくわからなかった。ただ、あの来瞳が言うのだから信頼には値する。知識に関しては、特にプライドの高い女だから。


同日 〜 2010/06/07[Mon]20:16
東京都品川区西五反田 - 大城舞彩の部屋


 30分前に来瞳が帰り、その余韻を両親と語らうこともなくあたしは自室にこもった。都市伝説ジャンクションをひとまず閉じ、来瞳によってもたらされた曖昧ファジーな不吉を片づけることからはじめてみた。とはいえ、当然のことながら片づくはずもない。

 なにがこれほどまでに忌まわしいのか、あたしにはうまく説明できない。案内人、カレンデュラのハンドルネームのルーツがわかったところで、晴れることなんてない。そもそも曇っているのかどうかもあたしには判明していないのだから。

 でも、この引っかかりはなんだろう。

 毎晩の悪夢。

 色白の少女。

『カレンデュラの私選館しせんかん』。

死線館しせんかん』なる都市伝説。

 月乃つきのさんの鋭い千里眼。

 葬儀にあらわれた少女。

 ナオと同名の無縁仏。

 なぜだろう。

 すべてリンクしているような気がする。

 気がするというだけで、根拠はない。

 符合している部分はあるけど。

 でも、きっと偶然で。

 関係ないことはわかってる。

 でも、なにもかも放っとけない。

 どれひとつとして放っとけない。

 悶々としたままディスプレイをめる。検索窓の白地が網膜につんと痛い。今日は特にパソコンと向かいあっている。執筆を控え、この状態はあまり歓迎できない。

 いや、執筆はもうほとんど終わってる。あとは最終章の誤字、脱字をチェックするだけ。たぶん今夜中には終わる。

 完成間近だというのに、妙な引っかかりのせいで今いち高揚感がない。最強の娯楽だったはずなのに。

 そういえば、カレンデュラを誕生花に持つ8月24日という日時、どこかで見たことがあるような気がする。そこで、閃いた指でホームページを開いた。思い出したというわけではない。恐らくはそうだろうと推定してのことだった。

 トップページをスクロールダウン。間もなく、白く輝いている10文字をクリック。

『カレンデュラの私選館』

 大した重量でもないのにいちいち重たくサイトが開かれる。下の段にスクロール、あっという間に目的地に到着。







 カレンデュラの私選館



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Present……は、現在・・だっけ?」

 そんなような意味だったと思う。事実、日付は今日を指している。

 問題なのは、

「リバース? ミステイク?」

 この2つ。意味がさっぱりわからない。

 だいたいのサイトでは、開設日や更新日などが提示されることがある。その際は「Since」や「Renew」といった冠が主流。あたしのホームページも主流にならってる。

「リバース」と「ミステイク」──意味がわからない。この日付は、なにをあらわしているものなんだろう。

「復活した日と、失敗した日……?」

 もしもカレンデュラを厨二病的ポエマーとすれば、単なる比喩と捉えることも可能なのか。見目のよいフォルムではあるが、意味としては一方が開設日で、もう一方が更新日にすぎないと。

 だとすれば腑に落ちる。

 つまり、キリストが復活した日が10年前の8月24日であり、裏切りを見抜けなかった日が23年前の2月7日……

「はぁ? 23年前?」

 ケータイ小説の一般投稿サイト『You Love Books』が産声をあげた時期は、確か1999年のことだったと思う。そしてみるみるうちに、ケータイ小説という近代日本文化の先駆者となっていった。ならば、わずか11年前に誕生したサイトに23年前から関わることは物理的に不可能。

 YLBが産声をあげる以前から、すでにどこかのメディアで『私選館』は生まれていて、その大もとの開設日ということなのだろうか。23年前といえば、確かファミリーコンピュータの全盛期だっただろうから、同人誌のような発足なのかも知れない。

 いや、それとも、

「カレンデュラの誕生日?」

 復活した日が開設日なら、失敗した日は、管理人の生まれた日付?

 生まれてごめんなさい──ヒロイックな価値観を模索すれば、その推理もあながち見当違いではないような気がする。

「2月7日、か」

 すぐさま履歴を開いた。さっきまでいた誕生花サイトを再開させ、試しに検索窓に日付を入れてみた。





    










昔々。

まだエデンに住んでいた頃のアダム、花の名前をひと通りに付け終わり、きっと彼らも喜んでいるだろうと確かめに行ってみました。すると、一輪だけ、淋しそうにしている花と出会ったのです。

「ねぇアダム、私の名前は?」

まさかこんなにも可憐な花を見落とすだなんて……嘆いたアダムは、戒めも込めて、彼女に名前を付けました。

「もう二度と忘れはしないよ。君の名は、忘れな草だ」










〜 2月7日の誕生花 〜

勿忘草わすれなぐさ





英名:Forget Me Not

学名:Myosotis Scorpioides (シンワスレナグサ)
   Myosotis Alpestris (ノハラワスレナグサ)
   Myosotis Sylvatica (エゾムラサキ) など

備考:広義にはムラサキ科ワスレナグサ属の種の総称であり、狭義にはワスレナグサ属の一種であるシンワスレナグサの和名。園芸業界に流通しているものとしては、ノハラワスレナグサやエゾムラサキ、それ等の種間交配種。原産地はヨーロッパで、北半球の温帯から亜寒帯に約50種が分布しています。日本渡来は、明治時代の園芸学者がノハラワスレナグサを輸入したのが最初と言われています。薄青、薄紫、鮮青、鮮紫、白、ピンク色の、6〜9o径の小さな5弁の花を咲かせ、花冠の喉に黄色や白の小斑点を持ちます。葉は細長く平らで、長楕円形か倒披針形をしています。全長は20〜50p。暑さに弱い花です。



花言葉:私を忘れないで











    





 腑に落ちないまま私選館へと戻る。

 もわっとまとわりつく現実の空気とは逆に、この館に漂う空気は硬く、冷たく、突き放したドライさでなまめかしくしずまっている。電源を落としたテレビの、映らないはずのモノまで映っていそうな眩暈げんうん感が、目にも止まらぬサブリミナルのスピードで揺らめいているかのよう。

 見透かされている、そんな気がする。

 だけど、うずうずとする魅力もある。

 自分のホームページまで舞い戻った。メニューを開いて『小説を書く』の部分をクリックし、簡単ログインのページを経由して作品の一覧表をさがる。

『コインフレンドリー』

 新作の作成画面に着いた。指が忙しい。きっとパソコンは高熱に浮かされてる──そう思ったら漫ろになったので頭を振る。

 3分の2まで誤字脱字チェックの済んだ青春小説。YLBではすでに公開している。感想もレビューもまだもらっていないが、公開してから10日ですでに300人以上の読者数を記録している。このうちの何人が実際に読んでいるのかはわからないけど、これほどの読者数にあってひとりも読んでいないはずがないという確率が嬉しい。

 早々にチェックを済ませ、堂々とくつろぐ姿勢がほしい。とはいえ、今日は頭と網膜を酷使しすぎた。チェックは明日以降にすることに決めてアドレスを用意、私選館へと蜻蛉とんぼ返り。

 あたしは面倒臭がりだ。追加登録するなら、今。

 確かに気味の悪いサイトではある。でも、ホラーをあつかうランキングサイトだってこんなモン。都市伝説ジャンクションに至っては、不気味を通り越して呆れる。

 ソレはソレ、コレはコレ、でもある。

 気が変わらないうちに登録してやろうと思った。同じ作品でないかぎりは特に禁止されているわけでもなく、実際、数作品を登録してる作家もいた。確か「夏」という人で、すでに3作品を登録済み。

 前回と同じ要領で、作品URLと紹介文を記入。そして登録ボタン。

 こうして、長い1日が終了した。ちょっとだけ新鮮な新展開にもこの心は揺らがず、ほぼ諦めてベッドに入るまでの間にも胸を打つ輝きなんてなかった。ただ悶々とするだけの経常的な1日だった。

 悪夢だけが特別だった。

 まさか、あんな急展開を見せるとは。







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該当 5件

1. コインフレンドリー

どこにでもあるけれどカビ臭くはない。お洒落だけれど便利とは違う。クルミが教えてくれたのは最強の当たり前=B

[雨音シトト] 🕛 2010/06/07 20:55

2. 位置について

足の早いイチ先輩。ゴール地点の遠い人。なぜだろう。イチ先輩の背中ばっかり目を細めてしまうのです。

[みよりん] 🕛 2010/04/03 21:36

3. 素晴らしき人生

ヤンキーちゃうで、フツーの高校生やで。ぐだぐだすぎてゴメンやけども。

[まいちゅん] 🕛 2010/03/11 19:21

4. promise

幼馴染みの活躍は。。。誓った約束さえも振り切ってしまうの?

[] 🕛 2010/01/19 16:48

5. トモたち

個性的な3人の「トモ」たち。3人とも、あたしの大切な友だち。でも、トモはトモたちが大嫌い。トモもトモたちが大嫌い。さぁどうする、あたし?

[YUKI] 🕛 2009/12/01 22:16


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夕焼けを見てると
泣きたくなるんだ



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日付  2010/06/07 23:58
差出人 You Love Books
件名  MAILより

■名前:
 月乃

■ホームページのURL
 http://**.****.**.**/*.***y=moonchild

■内容:



月乃です。
夜分おそくにごめんなさい。
またもや私書箱からで恐縮です。



ていねいなお返事を
ありがとうございました。

そうですよね。
夢ですもんね。
うまく説明できないのは当然です。

ただ
やっぱり気になっていまして。



その悪夢なのですが

髪の長い女の子って
出てきませんか?

まっ赤なワンピースを着た
色白の女の子なんです。

エレベーターのある環境でして
霊安室につうじているんです。



いえ
やはり言葉ではうまくいえないことで
どうしても
まとまらない内容になってしまいました。

ごめんなさい。

そうでないことを祈ります。



おいそがしいとは思いますが
よろしければ
くわしくお聞かせいただけると
うれしいです。

では。



――――
配信元
Abyss Media Works
東京都渋谷区渋谷x-xx-x

■お問い合わせ
http://xxxxx.xx/xxxxxxxx/xxxxxxxxx





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Nanase Nio




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