この世のルール E 死ねということ
空美は静かにしていたい
幽体の世界にも、いろんな事情がある。
幽体が幽体に向けて「死ね」や「殺す」という殺意的な文言を表現した場合、たとえそれが冗談や文書であったとしても、
★ 表現したほうはラストする。
★ 表現されたほうはロストする。
★ 表現されたほうはロストする。
このメカニズムはさっぱりわからないけれど、とにかく、幽体同士の殺意的文言の交換には、以上の代償がついてまわる。必ず、そうなる。
もちろん、フィクション作品として表現されたものであれば、代償は払われない。でも、もしも深層心理に明確な対象が介在すれば、いかに著者がフィクションだと自負していても、必ずや代償効果はあらわれる。
結局のところ、致命的なリスクをともなう行為なので、幽体同士の殺意的文言の交換は、重大な御法度となっている。それが証拠に、刑法のなかにも係る行為に対する刑罰が盛りこまれてある。例えば、
★ 致失謀略罪 ［ ちしつぼうりゃくざい ］
第三者に殺意的文言を表現させるよう計画する罪で、重度の禁錮刑と罰点に処される。
第三者に殺意的文言を表現させるよう計画する罪で、重度の禁錮刑と罰点に処される。
★ 致失幇助罪 ［ ちしつほうじょざい ］
第三者に殺意的文言を表現させる計画を幇助する罪で、重度の禁錮刑と罰点に処される。
第三者に殺意的文言を表現させる計画を幇助する罪で、重度の禁錮刑と罰点に処される。
★ 致失誘導罪 ［ ちしつゆうどうざい ］
第三者に殺意的文言を表現させる計画を実行する罪で、大罪とされ、禁錮刑よりもおそろしい実刑に処されるらしい。
第三者に殺意的文言を表現させる計画を実行する罪で、大罪とされ、禁錮刑よりもおそろしい実刑に処されるらしい。
いずれにせよ「死ねばいいのに」などと揶揄して笑っていられるのは、あの世にかぎったお話。
私に殺意をあらわした少女は、結果、あの世に倫力を奪われ、慟力を囚われ、虜囚霊になった。もう、彼女は永遠に活動霊として生活することができない。しゃがみこんだまま、じっとその場に固まりつづけるのみ。
紹介が下手だった。
ずっと後悔してる。
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