科学的蒟蒻
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Category : I Think
Update : 2011/04/24
[
Sun
]
09:00
『おでん占い』で「こんにゃく」だった。
蒟蒻と書く。
おでんの具としてはダントツで
里芋
さといも
が好き。第2位は大根。最下位は蒟蒻。ちなみに、おでんの具に里芋っての、地域によって是非があるのだそう。私の実家である岐阜県
郡上市
ぐじょうし
では、皮つきのまま遠慮なくごろんと入れる。味噌でいただく。いわゆる味噌田楽。
で、占いのほうの「こんにゃく」。
一見、大人しそうだとか、マイペースで人づきあいが苦手で人見知りが激しくて思いつきでイメチェンするのだそう。
まぁ
……
うん。
懐かしの『動物占い』は「ひつじ」だった──「頼られると嬉しいひつじ」だったか。懐かしすぎるか。確か「こんにゃく」とは真逆の診断結果だった記憶がある。
☆
占いとは違うのだけど。
24歳ぐらいの時、バイト先で、
箒
ほうき
に付着している
綿埃
わたぼこり
を取っていた。暇潰しに。それで、あまりにも暇だったので、1本では飽き足らず、ロッカーに入っていた箒をぜんぶ掻き集めてちまちまと綿埃掃除。
そしたら同僚に、
「ぜったいA型でしょ?」
と言われた。
断定されると真相を明かすのが
癪
しゃく
に障る。なので「べつにそれでいいよ」と答えた。
そしたら隣の同僚に、
「ヤ、そうやって答える人はたいていAB型」
と言われた。
で、果たしてA型なのかAB型なのかというテーマで白熱の議論が展開されたのだった。
O型です。
ちまちまと綿埃を取っていただけでA型、素直じゃないように答えただけでAB型、で、白熱の議論──どうですかこの日本人の持つ娯楽精神は。他人すらも
肴
さかな
にして酒を呑みたがる。たくましいじゃないですか。いじらしいじゃないですか。たいして観賞するつもりもないくせに桜の下で「風流」を口遊むようなもんですよ。まこと日本人的。
決めつけはよくないと言うけれど、決めつけられて腹が立ったのならば本人に向けてダイレクトに指摘してやればいい。で、腹が立たなければそのままにしておけばいい。
……
ムズい?
でも、決めつけること自体は悪ではないと思う。差をつけて別する行為が人情的に淋しいと思うだけの話で。
実際、A型だAB型だと議論され、私は腹が立たなかった。むしろ、主役に
抜擢
ばってき
されて感慨深かった。私は桜──みたいな優越感。
私がそういう性格ってだけの話か。でも悪くない気分だった。
☆
『血液型 (ABO式) 人間観察術』と言えば。
よく「血液型と性格に関しては科学的に因果関係がない」と耳にするけど、ホントかなぁ。私は疑っている。
「血液型と性格との因果関係は今のところ科学の世界では見つかっていない」とするのが正確な科学的表現なのであり、まったくないと断定するような表現をするのはむしろ科学を否定しているに等しい行為なのではないか?──と。
なにしろ、脳はもちろんのこと、血液に関してもまだまだ解明されていない部分が多い。わかっていないことのほうが多いぐらいで。だって、もしも脳や血液の謎が完全に解明されているのであれば、痴ほう症だって白血病だってすでに難病ではなくなっているはず(そこまでたどり着いて初めて完全解明したと言えるのだと思う)。
例えば、血液型によって太り方が異なるというのがあるらしい。血液型別のダイエット本が売れていたりすると聞くけれど、他にも、病気へのかかりやすさもしかり、血圧の上下しやすさもしかり、
蚊
か
のささりやすさもしかりで、仮に、そういう類型的な体質が個人の環境を左右し、さらに環境が性格を彩るのだとしたら、
巷
ちまた
の「因果関係はない」という表現にも違和感が出てくる。
もしも環境によって性格が形成されるのだとしたら、例えば、血液型のもたらす環境というのもどこかにあって、私たちが知らず知らずのうちに影響を受けているとする可能性を、じゃあ、どんな情報でもって
相殺
そうさい
すればいいんだろう。
刷り込み
インプリンティング
ってのもまだ現実的には頼りないしさぁ(血液型人間観察術にまったく触れてこないまま生きてきた身近なヒッピーたちにも特徴があらわれているという摩訶不思議な現象)。
「人間を区別化識別化しようとする科学は有事以外においては常に倫理的照合と抱きあわせるべき」という、理想に基づく表現ならばまだ解釈できる。ただ、巷の「科学的見解としての否定的展開」については、有か無かで捉えるにしてはまだまだ科学解明が為されていないことのほうが多いのではないか?──と疑ってしまう。
むろん、隣人の趣味嗜好や価値観も考えず、あたかもモルモットにするかのように血液型人間観察術を振りかざしてAだBだと決めつけるのは、そりゃ、人によってはハタ迷惑な話。ただ、もういっぽうで「科学的に因果関係がない」という、科学に
悖
もと
るような巷説を鵜呑みにし、なんら疑問視せずに「間違っている」と決めつけるのも
……
果たしてどうなんだろう?
だって、血液や脳について、そんなに知ってる?
私はまったく知らない。
全知全能の神であるらしいヤフコメ民でもこの件に関しては無理でしょう。そもそも完全解明されていないのだから。
まぁ、要するにだ、科学者でもなんでもない凡人の私たちがやるべきことは、科学的にどうたらこうたらと言って虎の威を借ることではなく、あくまでも個人的な好き嫌いでモノを語ること。話題を振る側も、まずは相手に「血液型のヤツって好き?」と尋ねること。もしも「ごめん苦手」と返ってきたら、大人しく引きさがること。話題を振られた側も、変な協調意識に縛られず、正直に申告すること。
……
いつの間にか当たり前の話になってしまった。
以上「表現と心意気の話」でした。
にしても、モノの本に書いてあるO型の性格的特徴ってなんの事件性もない無事なものばかりだからツマランのよね
……
。
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Nanase Nio
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