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Category : I Think
Update : 2015/11/06[Fri]05:30



 受験生のみなさん、頑張ってますか?

 そんなあなたのために、繭結理央が気分転換の小噺を持ってきました。

 ネットで見た新聞記事について、一瞬にして抱いた感想を、順不同、抱いたままに書き連ねちゃいますっ☆





『成都商報』によると(中国の)インターネット上で、とある小学校の算数の宿題が物議を醸している。

 報道によると、江蘇省に在住の李さんが小学3年生になる息子の算数の宿題を見て仰天、その宿題の問題をネット上にアップロードしたというもの。

 その問題文とは、

【明くんは、8歳です。お父さんの年齢は明くんの3倍、また、お祖父さんの年齢はお父さんの6倍よりも3歳上になります。お父さんとお祖父さんの年齢は、それぞれいくつになりますか?】

 というもの。

 一見、なんの変哲もない算数の問題とも思えるが、実際に計算するとその奇妙さが浮き彫りになる。

 なにしろ、お父さんの年齢が24歳ということになり、明くんは、お父さんが16歳の時に生まれたことになってしまう。

 さらには、お祖父さんの現在の年齢が、なんと147歳になってしまい、明くんのお父さんは、お祖父さんが120歳の時に生まれた子供ということになってしまう。

 この“おかしすぎる”問題は、瞬く間にネットユーザの注目を集め、

「あきれた」

「16で子供ってことは15で結婚か?」

「実際の状況を考えずに問題をつくるからこうなる」

「問題っていうのはだいたい自分の経験をもとにつくるもの。問題をつくった人が、親が高齢になってからの子供で、若い時に恋愛した経験があるというだけ」

 などのコメントが寄せられている。

 お祖父さんが高齢すぎることについては「これは『明くんの6倍よりも3歳上』の間違いだろう」ということで大方のネットユーザが納得している。だが「16歳にして息子がいる」という状況にはいまだ答えが出ていない。

 やはり「適当に問題をつくった」という他にないのだろう。





 以上の報道文(原文に関して一部の仮名づかいは変えたが内容はママ)を読んで、

「それのどこが変なの?」

「お祖父さんの現年齢が147歳ってのはアレかも知んないけど、120歳の段階で“箪笥預金”があったって、別に可笑しな話ではないんじゃないの?」

「16歳で子供のいる父親……って、探せばどこかにはいると思うが。特別、不思議な話ではなく、充分にありうる話」

「14歳で母親になるようなドラマだって、フツーにあるわけだし」

「というか、小学3年生の児童に“充分にありうるリアリティ”を教えるだなんて、なんて粋な小学校なんだろう!」

 などという感想を抱いたあなたはもはや立派な日本人である。

 つまるところ、倫理や道徳を横に置いていられるのが日本という国である。そんな思考法が良いことなのか悪いことなのかは別にして、広い可能性でモノを考えられることは特段に恥じ入ることではない。裏をかえせば、そういった思考法を音吐朗朗にしても大きな問題に発展しないほど、この国は穏やかな風土の国なのかも知れない。そんな環境に甘んじていてよいのか否かも別にして、議論の幅員が広いこと自体は、やはり特段に恥じ入ることではない。

 ……ホントにそう?

 いや、思考の自由度が高いという点は、世界に優れたるところだと思うのだ。別に恥ずかしく思う必要もないこと。

 ただまぁ、

「日本って、のべつ幕なしの“者づくり”国家なんだねー」

 と中国人に思われる可能性は高いのか。儒教によるものか武侠によるものなのかはわからないにせよ、広い意味での中国的な観念からしてみれば、もしや日本のソレは「恥ずかしいこと」なのかも知れない。

 うむ。

 国際社会って難しいものよのぉ。

 日本のAVが今、中国を席巻しているという。日本人にしてみれば充分にニッチな産業であるアダルト業界も、国が変われば「飛ぶ鳥を落とす勢い」ともなる。それが証拠に、ネットでアダルト画像を検索してみれば、中国語の但書の添えられる画像がワンサカ出てくる。しかも日本人のアップロードする高品質(?)な画像とは異なり、彼らのそれはピンキリの隔てがなく、かつアップされる画像枚数も異様に多く、我が国のエロ画像愛好家(同僚)をもってして「エロかったらなんでもいいってモンでもないんスよ。アートというモノがわかってないんスよ!」と嘆息の熱弁をこぼさせるほどである。なんの話だ。

 一方で、ネットなどで読み聞かれている中国人の弁ときたら、日本人の意に反し、こうなっているのである。

「日本は性にオープンであり、この一点にかぎってはマコトに慎みのない国である」

「待て待て!」と反論したくなるだろう。なにしろ、慎んで厳選のアートを楽しんでいる、あくまでニッチであるところにのみ耽溺の境地を見出だし、そしてこの文化を守りたいと思う「ガラパゴス人」からしてみれば、アングラ重要文化財ともいうべき「秘宝館」を慎みもなく荒らされたあげく「エロい国」と評価されたのではタマったものではないだろう。明瞭な誤解であり、結局のところ興味津々なのはそちらのほうではないか!……反論したくなる気持ちも痛いほどにわかる。なんの話だ。

 日本が性的先進国なのかはわからない。児ポルの問題もあるわけで。なんだかんだいって男のミ竿の話じゃないのさ!……という否定的意見だってあるのかも知れないわけで。例えば、TENGAという神器がもたらした性開拓をもってしても、だから現在の日本が性的先進国なのかというと、うーん……よくわからない。

 ただまぁ、議論するための思考的幅員が広いのは事実なんだろうな。

 しかし、だから、ともすれば優柔不断となり、結論が先送りにされることもある。妥結点がなかなかに見つからないことも。ソレが民主主義の弱点か……などと(超絶社会科音痴の私ごときが)思うほどに。

 弱点の有無は扨置いて、しかし、ならば主たる民にとって、なおさら国際社会って難しい土俵よねぇ……と思ったりもする。

『インターネットに係る理解度検定』とかいう検定が国別対抗でおこなわれ、日本は最下位だったそうである。特にはネットで起こりやすいリスキな問題に対して、どのように反応することが正しいことなのかをクエスチョンにした企画検定だそうだが、コレの最下位を飾ることによって、日本は平和ボケの実情を露呈することとなった。

 が、それだけ平和な国なのだと考えれば恥じ入ることでもない気がする。万が一の時の初動対応ではもしや世界に恥をさらすかも知れないが、逆説、万が一が起きないかぎりは、平和に関してはきわめて優秀な国だと讃えられるかも知れない。つまり、恥なのか誉なのかは、批評するポイントをどこに置くかによるのでは?

 捕鯨問題だってさ、伝統文化という側面(批評ポイント)があるからさ、なかなか解決にはいたらないわけでさぁ……いや、これ以上は語らんとこう。

 極論をいえば、鎖国状態にしておくのがいちばん楽な道である。

 しかし日本は、その「楽」を捨て、国際社会の一員であるべく名告りをあげてる。自ら、険しい道へと踏み入っている。

 ひとつひとつの判断……特に「機微」の部分で、より難易度の高い、精緻で柔軟な思考力が求められる、そんな土俵に、今の日本は望んで立っているのかも知れない。

 だァからなにがいいたいのかというと、これから日本を引っぱっていくのであろう若者たちって、大変だなぁって。だって、超高齢で豆まきしたお祖父さんと低年齢で種まきしたお父さんのある一家に対して、いまだ妥当な解釈の得られていない国とも対等に相手していくんだもの。しかもこの時に、決して「それのどこが変なの?」で終わらせてはいけない。楽な道を選んではならず、自らが険しい道に立って、彼らの「機微」を忖度しなくてはならない。仮に「エロい国」と誤解されてもヒステリィの反論を叫んではならず、今度は逆に日本の「機微」を説得しなくてはならない。あくまでも冷静に、論理的に、慎み深く。

 楽をしたい私には面倒臭ぇお話である。

「120歳でマメ鉄砲をお持ちだなんて、まったくもう矍鑠たる話でイヤハヤ……」とかなんとかヨユーで思ってしまう、ほぼエロスの虜にすぎない私なんかには特に。

 なので、えと……受験、頑張ってくださいっ☆



 おわり





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Nanase Nio




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