ED後捏造注意
行方不明だったNがイッシュに帰って来てから、今日で丁度1ヶ月。けれど、いかんせん彼には行く宛がない。そういう理由で、ママの許可を貰い、Nは今わたしの家に居候をしている。彼とママの関係も上々で、一安心だ。
「…N、朝だよー…」
わたしは寝ぼけまなこのまま、隣で寝ている彼を呼び起こした。隣と言っても、わたしのベッドのすぐ横に、お布団を敷いて寝ているだけなんだけど。
「えーぬー。起きて」
反応のないNを揺り起こそうと腕を伸ばせば、突如彼に腕を掴まれてベッドから這い出る形になってしまった。そのままずるずると彼の布団の中へと引きずり込まれる。
「もう、起きてるんじゃない!」
「おはようトウコ…」
彼はまだ寝ぼけているのか瞼が半分も上がっていない。
「N、朝だよ」
「んー…。トウコも一緒に寝ようよ…」
優しく抱き寄せられて、一瞬「このままでもいいかな」なんて思ってしまったけど、外から聞こえるマメパトのさえずりで我に返る。
「…起きて」
「も…少し…寝かせて…」
寝言のように呟いたかと思うと、すぐに規則正しい寝息が聞こえてきた。確かに昨夜は遅くまで話し込んでしまったから眠いのも仕方ないか。
わたしはNを起こさないように、腰に回されていた手をそっとどけて布団から出た。
「…もう少しだけだからね」
子供のような寝顔をした彼に、そう一言掛けてから階段を降りていく。そうだ、今日の朝食はママと一緒に彼の好きなものを作ろう。
あなたと迎える朝(何気ない日々が、こんなにも愛おしい)
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