バレンタイン!



「ルークぅ!」
「ぅおわ!?」

窓の外を興味津々、とばかりに眺めている、隙だらけの背中に、ピンクの少女が飛び付く。

飛び付かれたルークは、慌てて振り返った。

「何だよ、アニス。何か用か?」
「一緒にお菓子作ろうよ!」
「は?お菓子?」

ルークは、唐突なアニスの言葉に首を傾げる。

「そ。今日が何の日か、知ってる?」
「今日?何かあったか?」

きょとんとした表情に、アニスはえぇ!?と大袈裟に驚く。

「知らないの!?今日は、バレンタインじゃん!」
「何だ、それ?」

今度は、逆側に首を傾げるルーク。

アニスは、これはしっかり理解させねば!と勢い込んで、口を開く。

「バレンタインってのはね、女の子が好きな男の子にチョコ渡して告白したり、お世話になってる人にありがとう、ってチョコ渡す日だよ!」
「へぇ〜。で、それがオレに何の関係があるんだ?」
「元々は、男性から恋人に贈り物を渡す日だったんだって。
だから、ルークも一緒に、何か作ろ!
わたしが教えてあげるからさ!」

アニスがルークの手を引くが、ルークは未だ訝しげな表情を浮かべている。

「何で、オレ?ナタリアとかティアは?」
「その二人は、今買い物に行ってるよ」
「そうなのか?一番にナタリアが、何か作りたがりそうなんだけど」
「既に失敗した後なんだよ……」

アニスの遠い目に、ルークは深く追求するのをやめた。

「一人じゃつまんないからさ、付き合ってよ」
「うー…仕方ねぇな…」




*****

「何作ろっか?
チョコチップも生クリームも、ウィスキーもあるから、大体の物は作れると思うよ」

宿のキッチンを借り、アニスがルークを見上げ、首を傾げた。

ルークは、贈り物をあげたい人を思い浮かべ、何を作るかを決めた。




「チョコチップのクッキー、が良いな」

「生チョコ、かな」

「ウィスキー使ったヤツ…、とか?」(裏)





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アトガキ

チョコが多すぎて、ゲシュタルト崩壊気味(汗)

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