ばーすでー!



「なぁ、ジェイドの誕生日っていつなんだ?」

もう過ぎた?と、ルークはベッドに腰掛けて、こちらを見詰めていた。

「シルフリデーカン・ローレライ・22の日ですよ」
「ってーと……」

ひぃふぅみぃ、と指を折って、ルークは何かを計算する。

「……まさか、月の名称を覚えていない、とかじゃないでしょうね?」

いや、まさか。
しかし、勉強嫌いを舐めてはいけない。
そう考えて問えば、ルークは憤慨して、頬を紅潮させる。

「んな訳ねぇだろ!馬鹿にすんなっつーの!」

しかし、すぐに目を逸らして、ぼそぼそと。

「……ただ、順番が、不安なだけで…。
――いや!ちょっと、だからな!いくつかだけ!!」

それから、慌てて首を振る。

その百面相があまりに可笑しくて、可愛くて、

「あっ、わ、笑うな!」

愛しくて。

「いやー、私も重症ですねぇ」
「……?は?」

首を傾げるルークの頭を、ぽんぽんと叩く。

「いえいえ。
これは私が勉強を見てやらねば、と少し使命感を感じただけですよ」
「ぅえっ!?い、いや、良いよ!大丈夫、問題ない!!」
「遠慮なさらず」
「間に合ってますって!!」
「間に合ってないから、月の名称も不安なままなんでしょう?」
「う…っ」

もう少しで、ルークは丸め込まれるだろう。

こうして、ルークを独占出来る時間を長くするのだ。










「ところで、誕生日を訊くということは、プレゼントを期待しても良いんですよね?」
「えっ!?」
「まぁ、下さらなくても勝手に貰いますが」
「いっ、いやっ!何かヤな予感がするから、ちゃんと用意します!!させて下さい!」
「えぇ、期待してます」


「なぁんか、上手いことハメられた気がする……」
「気のせいですよ」




後書き。

ハッピーバースデーtoミー!(自分かよ!)
ジェイドが、ルークから勝手に貰うのは、ルーク自身です♪(もしくはルーク1日自由権)(笑)

11,09,05 完結



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