仕事で疲れた身体を引き摺って、マンションの自室のドアを開ける。
真っ暗な部屋。
温もりのない空気。
慣れたそれに、何を思うこともなく、リビングの戸を開ける。
暗い部屋に、留守電を報せる赤い明滅。
まさかと思い、明かりのスイッチより先に留守電再生。
『よ、ジェイド。久しぶり。
元気だったか?無理してないか?飯、ちゃんと食ってるか?毎日、きちんと寝てるか?
ジェイドって、その辺ズボラだから心配だよ…。
……留守電って、独り言みたいで恥ずかしいな。
今度はジェイドが電話しろよ。
来週末には行くから。
じゃ…』
機械越しの言葉でさえ、貴方はこんなにも私を幸せにしてくれる。
帰宅したとき、留守番電話にメッセージが入っていた