洗脳の真実 | ナノ

▽アビスシルバー、洗脳の真実!(アッシュスキーさん注意!)

華「それは何だ?悪の譜術使い・翆」

翆「これは、先頃"正義の心"とやらに目覚め、我々イビルマンを離脱した、アビスマンの一人、アビスレッドの兄である、アビスシルバーに御座います」

華「ほう?それで、黒の御剣・迅よ。何故ソイツがここに?」

迅「コイツらの言う、"正義の心"とやらが信用ならず、動向を警戒しておりましたらば、こともあろうにこのアビスシルバー、弟であるアビスレッドを罵り詰り、実に酷い有り様。
悪をこそ善しとする私とて、目を背けたくなるような悪口雑言。
このような者が語る正義など、碌なものではないと思いますれば」

翆「さらに、このアビスシルバー、思慮という言葉をどこかに捨ててしまったらしく。
挑発されれば即座に怒りを露にし、己の信じたい事物しか信じず、他者の意見など全く受け付けない、直情径行な男でありますれば、少々の罠を巡らせれば、これこの様に、簡単に捕らえられましたので、ご報告に上がった次第で御座います」

華「ふん…。して、その男。如何にするつもりだ?」

迅「アビスレッドの傍には置けますまい。実弟を平気で傷付けるような男、野放しにしておいては、我々の目指す"正しき悪の世界"樹立の妨げとなるだけ」

翆「少々精神的に痛め付けて、アビスマンを裏切るように仕向けるが得策かと」

華「ふむ……。まぁ、良いだろう。好きにするが良い」

翆・迅「はっ!」



画面、暗転。

*****

「つーかさ、あの話し方、すげー疲れんだけど」
「おやおや、根性が足りませんよ」
「根性云々の問題じゃないだろう…。はぁ、俺も口が可笑しくなりそうだった……」
「仕方ありませんねぇ。話し方を、素に戻しますか」
「さんせーい」「分かった」


*****

画面、ライトアップ



シルバー(以下シ)「ん……。
なっ、何処だここは!?(動こうとして、拘束されていることに気付く)
…っくそ!一体、誰の仕業だ…!」

翆「おや、お目覚めですか」

シ「貴様…!悪の譜術使い!!
てめぇの企みか!?」

翆「おや、何がですか?」

シ「何が…って、貴様が俺を捕らえたのだろうが!!」

翆「まぁ、それはそうなんですけど。別に貴方を捕獲することは、どうでも良かったんで。
それにしても…もう少し静かに話せないんですかね?そんなに唾飛ばさなくても、聞こえますから」

迅「まぁ、大声で主張するしか出来ないバカなんだろう」

翆「あぁ、なるほど、それで」

シ「貴様ら……好きに言わせておけば…!!」

翆「貴方に許されて、言わせていただいてるつもりは全くありませんので、お気遣いなく」

迅「だよな。
さて、んじゃ、ヘルメットを取りますか」

翆「えぇ。そろそろボスの準備も整うでしょうし」

迅(シルバーの顔を押さえつけて、ヘルメットの留め金を外す)「じゃ、外しちまうぜ」

翆「はい、どーぞ」

シ「おっ、お前ら、止めろ…っ!」

迅「……(無視)」(ヘルメットを外す)

華「翆ー、持ってきたぜ」

翆「それは丁度良かった。今、ヘルメットを外して差し上げるところだったんですよ」

華「へぇ〜」

シ「! ! !」

迅「じゃ、このヘルメットは、澪と慧に落書きして貰ってくるな(ニコヤカに退室)」

翆「ほう、これは中々に、それの使い甲斐がありそうですね」

華「だな!(シャキーン!とバリカンを構える)」

シ「そっ、それで、何をするつもりだ!?」

華「何って…」

翆「その立派な鶏冠を剃り落とすんですよ」

シ「なっ、止めろ!そんなことをして、何になる!?」

翆「いえ、別に?」

華「何がしたい訳でもなくって…、ま、暇潰しってとこか」

シ「止めろ!放せ!(ジタバタ)」

翆「五月蝿いですねぇ。
あんまり暴れると、鼻まで剃っちゃいますよ?」

華「あぁ、勢い余ってな?」

シ「……………!(無言で首を振る)」

翆「じっとしておかないと、耳を削いじゃうかもしれませんねぇ」

華「あぁ。外側に付いてる耳朶は、別に無くても聞こえるらしいからな。無いなら無くても、構わんだろう」

シ「……!(ピタッ)」

翆「そうそう。最初から大人しくなさい」

華「ヘルメット被れば問題ない、と思っているかもしれんが、そのヘルメットも今、芸術作品にされているだろうからなぁ。
ま、抵抗しても無駄だけどな」



解放された時、アビスシルバーの逆立てた前髪(鶏冠)は見事に無くなり、無惨な形にされた髪型を隠そうと手に取ったヘルメットには、前衛的な絵画が描かれていた。
容易に人前に出られなくなったアビスシルバーは、引きこもっている間に洗脳され、イビルマンに味方することとなったのであった…。



fin




*****アトガキ
アッシュを苛めてみました(笑)
楽しかった♪
あと、悪の譜術使いと同僚の、黒の御剣(笑)



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