未ダ無名ルークにユー(ry
2012/01/29 23:05
「〜…っよし!あ、アッチも…」
デッキブラシで甲板の床を懸命に擦っていたルークが、ふと気が付いた次の汚れに取りかかる。
ルークが汚れを落とした部分を雑巾で磨いていたジュードが、足音に顔を上げる。
そして、顔色を失った。
「え、ちょっと!?ルーク、危ないからっ!!」
「ん〜…もうちょい…」
柵の無いバンエルティア号の甲板、その縁ギリギリで、ルークは真剣に床を擦っていた。
「もうちょい、じゃなくて!危ないったら!!」
見るに見かねたジュードが、雑巾をバケツに放り込み、ルークの元へ走る。
その時。
「こら、お子様じゃねぇんだから、もちっと周り見ろっての」
もう一つのバケツの水を汲みに行っていたユーリが戻ってきて、ルークの首根っこを掴まえた。
「ふぇ?」
「――ユーリ…。ありがとう」
「いやいや。
ったく、このお坊っちゃんときたら、危なっかしいったらねぇな」
ようやく我に返ったらしいルークが、気の抜けた声を出し、ジュードは安堵の溜め息を吐いた。
「え、どうかしたのか、二人とも?」
「どうかした、じゃないよ…もう…」
「落ち着いて、足元見てみ」
きょとんとしたルークに、ジュードは脱力し、ユーリは現状認識を促した。
「あしもと…?――ぅおわ!?」
ギリギリにいたことに、やっと気付いたルークは、ビクリと体を強張らせた。
「ほいほい、っと。ほら、もう大丈夫だぞ」
ユーリは、そんなルークを甲板の中央近くまで引っ張り、ぽんと肩を叩いた。
「もう、ルーク!もっと周りをよく見てよ!
心配したんだからね!?」
ぎゅ、とルークの腕を抱き、ジュードが訴えると、ルークは目を泳がせた。
「う…、ご、ごめん…」
「頑張るのは結構だがな、落ち着きってのも、必要だぜ?」
ユーリも、ルークの頭を撫でながら、注意を促した。
「うん……」
その手の重みに負けたように、ルークが項垂れると、ジュードは少し慌てたように、ルークの腕を引いた。
「ルーク、責めてるんじゃないよ?
ルークが怪我したりしたら嫌だから、心配なんだよ?」
「そうそ。無理すんな、ってことだ」
二人の言葉に、そろそろと顔を上げたルークは、薄く微笑んだ。
「うん…。ありがとう…」
それに、ジュードも笑みを返し、ユーリはルークの手からモップを奪う。
「あ?」
「もう、大分綺麗になったし、掃除は終わりで良いだろ?
おら、片付けようぜ」
水を換えてきたバケツに、モップを突っ込み、乱暴に洗いながら、ユーリも笑みを浮かべた。
「俺特製、おやつの時間だ!」
「マジ!?」
「僕、結構、楽しみにしてるんだ」
ルークは目を輝かせ、両手を上げて喜ぶ。
今日は何だろう、と雑巾を洗いながら、ジュードは嬉しそうに呟いた。
「それは、見てのお楽しみ、っと。
ほら、ルーク。行こうぜ。今日、一番頑張ってたお坊ちゃんには、増量サービスしてやるよ」
片手にモップ、もう片手にバケツを持ったユーリに、ルークは駆け寄り、バケツを受け取った。
「やった!」
「良かったね、ルーク」
同じくバケツを持ったジュードに笑い掛けられて、ルークも嬉しそうに笑顔を返した。
「おぅ!」
今日もバンエルティア号は、平和です。
*****アトガキ
締め方が分からなかった…orz
何が書きたいか、上手く纏まらない状態で書き始めたら、こんなgdgdに…orz
もう…後悔だらけですが…、一応晒しときます…。
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