未ダ無名ルークにユーリとジュードを足してみた。
2012/01/20 05:56
―ルーク長髪ver.―
「あー、だりぃ…。
っんで、オレまで掃除しなきゃなんねぇんだよ…」
甲板の掃除担当の一人、ルークはブツブツと文句を言いながら、おざなりにモップを動かす。
その様子に、一緒に掃除をしていたジュードは、おすおずと申し出た。
「あのさ…、じゃあ、僕がやっとくよ」
「マジで!?ラッキー!
んじゃ、オレ、部屋に戻るわ!」
モップを放り出して、ルークは船内への入り口へと、一目散に走った。
その後ろ姿を見送ったジュードは、床に放置されたモップを持ち上げる。
「さて、続けようかな…。
……?」
入り口に背を向けた途端、また扉が開く音がして、ジュードは振り返った。
そこには、ユーリに首根っこを捕まれた、ルークがいた。
「ほれ、掃除をサボっちゃ、ダメだろ。
自分に任せられたことは、キチッとやる」
そう言って、ユーリはルークの背を、トンと押した。
少したたらを踏んで、ルークはユーリを振り返り、睨み付けた。
「テメ……っ!」
「あぁ、それとも?」
ユーリは、口端を片方だけ上げて、意地悪げに笑って見せた。
「貴族のお坊っちゃまは、一人じゃ何にも出来ねぇのかな?」
「んだとーっ!?」
声を荒げたルークは、ジュードの手から、モップをもぎ取った。
「馬鹿にすんなよ!
掃除くらい、出来るっつーの!!」
そして、やや乱暴に床を磨く。
呆然として、そのやり取りを見ているしかなかったジュードに、ユーリは目をやった。
「アンタも、な」
「……え?」
ジュードも、ユーリを見る。
「あんま、何でもやってやろうとすんな。
アイツのためにも、ならねぇだろ」
「…そうだけど」
そう呟いて、俯いたジュードの頭を、ポンポンと軽く叩いて、ユーリは言った。
「そのお人好しも、悪かないがな。
発揮して良い時と、悪い時があるだろ。
それに、全面的に引き受けるのだけが、手助けじゃねぇ。
……だろ?」
ジュードが顔を上げると、ユーリは笑って見せた。
「おい、テメーらだけ、サボってんじゃねぇ!!」
「へいへい、一番にサボってたお坊っちゃま、っと」
ユーリも、バケツの横に置いてあったモップを掴む。
「ほれ、やろうぜ」
「……うん」
ジュードも、少し笑顔を浮かべて、床を磨き出す。
「あーっ!ひょっとして、もう一人の掃除当番って、お前のことか!?」
「あぁ?そーいや、そうだな」
ルークがユーリを指差して、怒鳴る。
「一番にサボったの、テメーじゃねぇか!!」
「……ったく。
終わった後に食う、おやつを作ってたんだよ。
ここの掃除、腹減るだろ?」
「う……」
ルークが、おやつという言葉に揺れた。
それを見て、ユーリはニヤリとし、ジュードは目を丸くした。
「でもなー、掃除をサボるような奴は、腹も減らないだろうしなー」
「わーったよ、やるよ!
掃除すれば良いんだろ!?」
ユーリに笑われながら、モップを動かすルークを見て、ジュードはふと溢した。
「二人って、仲が良いんだね」
「はぁ!?」
その言葉に反応して、ルークが顔を勢いよく上げる。
「オレと!?コイツが!?」
「「冗談だろ!!」」
声が重なり、ユーリはシレッとそっぽを向き、ルークはその横顔をギッと睨む。
その様子を見て、ジュードはクスクス笑った。
「さ、掃除、頑張ろっか、ルーク。
ユーリのおやつのために」
「し、仕方ねぇから、手伝ってやるよ、ジュード!」
「さーて、どこまで頑張れっかねー」
「んだと!?」
青空の下、バンエルティア号の甲板に、笑い声が弾けた。
*****アトガキ
ジュード君の口調が分からないが…。
こんな感じだろうか…。
マイソロ4が今から楽しみだ…
短髪ver.もちゃんと書きますから!
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