Qoo | ナノ
3
*← →#


「知らないならなんで、俺に話かけるんだよ」

俺は思わず言った。

「だって、あんたが俺を呼んだんでしょ?」

そいつが言った。

はぁ?なにを言ってるんだよ?
コイツは?

「俺がいつ、何処で呼んだんだよ?」

その格好と同じくおかしいやつなんじゃないの?

「わかんないの?さっき呼んだんだよ?」

厚化粧のそいつはピンクの口紅べったりの唇でにっこり笑った。

そのテカテカのピンクの唇を見て顔を引きつらせて、俺は言った。

「そんな事を言った覚えはないっ」

おねがいだから、どっかいってくれよ…。

「う〜そ。だってさっき。誰か来たのかな?とか、宇宙船(ふね)乗りたいな〜とか言ってたじゃん」


…え?


それって、言ったんじゃなくって、『思った』んだよ?

「やった〜!思い出したねぇ?」

……コイツ何者??

「空からきたクウで〜すぅ」




……え??


そいつはわ〜い。と、いうようにまた、俺に抱き付いた。

はなしてないのに俺会話してるよ??


クウと名乗った。そいつは、にこにこしながら
俺に抱きついて来た。

ってかこんな所でこんな奴に抱きつかれるのは・・・・
すげー目立つんだけど?

周りは通勤で急ぐ人ばかりだった。

「ダイジョウブ。みーんな関係ないでしょ?」

「関係ないってさ?」

これでも一応このご近所で生きていくわけだから?

こんな変人ヤローに絡まれてるの見られたら、いやだから。

「ダイジョーブ。ホラ・・・ね?」

そいつは、周りを見回した。

「・・・え?何?」

俺も一瞬きょろきょろまわりを見回した。

すると、周りに歩く通勤通学の人たちは
俺らの事なんて全く無視しているように歩いていた。

無視っていうか、見えてない見たいだった。

「ね??」

・・・・ねってさ?

これ何?


.

*← →#
3/34

page:

Page listへ戻る


×
- ナノ -