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*会話文のみ
*ほぼリザルフォスのリザルとの会話
*たまに下品



Case1 魔族長のこわいとこ

「んおー、お嬢ーー」
「ごめん遅れて……うわリザル、もうこんな飲んだの?」
「そりゃアーそーだろー。こーゆー新入りが来た時くらいしか深酒できねェんだッからさァーー」
「新入り……あ、今他のトカゲ族の人たちに揉みくちゃにされてるあの子か」
「そーオだよ。アイツなァ、ギラヒム様に憧れて俺の隊に来たんだとよォ」
「へー、やっぱ魔族の子たちからしたら立派に見えるんだねぇあのマスターも」
「そーそ。ちょーどいいや、うぉーい新じーーん」
「え、呼んでいいの?」
「へ、へい……リザルの兄貴、何の御用で」
「……人のこと言えないけど大変そうだね、魔族の下っ端って」
「とんでもねぇです。えっと、リシャナさんですよね、ギラヒム様の側近の」
「側近っていうかどれ、」
「そーーだぜ新入りィ! だかンなァ、今日はこのリシャナさんに魔族長様の普段聞けねェ話聞いとけェ!」
「え」
「お、お願いします!!」
「えー……そんなに面白い話無いとおもうけど」
「嘘つけよォ。ギラヒム様のこえーとことかお前ならいろッいろ見てンだろ」
「大体想像してるので合ってると思うけどなー」
「そのそーぞーが新入りにはつかねェんだから、言ってやれェ」
「んえー……」
「ぜ、ぜひ!!」
「んー…………最近多いお仕置きは裸で縛られたまま×××に××××を突っ込まれること、とか?」
「えっ」
「あとマスターが今一番興味あること何ですかって純粋な気持ちで聞いたら『屍姦』って即答されたこと」
「…………」
「あーそれと、マスターが持ってきた生きてる何かは大体私に使われる用の生き物で、」
「……お嬢」
「一番こわかったのがパラゲ族に似たグロい生き物なんだけどその触手に硬くてごっついイボがついてて」
「お嬢待って」
「そりゃもう見た目通りの痛さで危うく人としての尊厳が……何リザル」
「新人困惑して意識飛ンでるから、やめてあげて。俺が悪かった」
「あ……うん、ごめん」

その後数日間、新人君はうなされ続けたらしい。


Case2 部下の怖いとこ

「まァ、ギラヒム様がイロモノなのは間違いねェなー」
「言い切った……」
「事実だろ」
「それはそう」
「とは言っても恩はあるし、実際魔族ン中で最強なのは明白だからなァ。トカゲ族は頭上がンねェよ」
「魔族最強かー……マスターといたら逆にわかりづらいけどやっぱりそうなんだねぇ」
「おうよ、つーかほとんどの一族はそーゆー理由であの人に仕えてンだろ。……お嬢だけだぞ、考え無しと若干の下心で従ってるヤツは」
「し、下心なんてないからッ! 考え無しは認めるけど!!」
「認めンのかよ」
「……自覚はある」
「まァ、お嬢も大概だしギラヒム様も苦労されてンだろうな。人間が俺の側近だったら指の一本くらいは初日で食ってる」
「それはリザルだけでしょ。……ただ」
「ただ?」
「……マスターが物理的に私を食べたいっていうならやぶさかではない」
「うわァ」
「マスターが本気で望むなら進んで提供しそうまである。痛いのは嫌だけど」
「……お前ギラヒム様に対して前向きすぎて怖いわまじで」
「引かないで……」


Case3 報告中

「マスター、この間向かったとこの調査報告出来ましたよ」
「遅い。今回はお前が見に行ったんだからすぐまとめられただろう」
「あの後すぐ空に行って武器調達してこいって言ったのマスターじゃないですかー。そのかわりしっかり女神の封印の場所は見つけておいたので、早く読んで下さい」
「……相変わらず不敬な部下だ(資料読む)」
「どうです?(横に立って一緒に資料覗き込む)」
「……成る程。この地はたしか精霊が守っていた場所だったね(手を伸ばす)」
「ですね。行くなら幻覚返しの魔法使える子を各隊連れて行った方がいいかもしれないです(尻に伸びてきたギラヒムの手を受け止める)」
「加えてあの土地の規模か。小編成では不都合が出るな(力でガードを押し切ろうとする)」
「これくらいの編成で各隊に小隊長と魔術兵……ぎりぎり出せる数ではあります、け、ど……(防御が崩れないよう全力で止める)」
「拠点が手薄になる、か。ある程度は仕方ないな。あの土地に住み着いている種族なら多少抵抗されても問題はないだろう(なお尻を触るため力で押し切ろうとする)」
「なら、小隊長の子たちに……くっ……伝えておきます、ね……(一度触られたらキリがないので全力で抵抗する)」
「チッ……そう、しておけ……(部下が生意気なので意地でも触ろうとする)」
「…………」
「…………」


「今あの二人の間で何が行われてるんすか?」
「視界に夾雑物いれンなァー新人。見なかったことにして全く支障ねェヤツだ」
「はぁ……」


Case4 止めないと

「そういやお嬢、最近植物系のヤツのとこよく通ってね?」
「あー、そうかも。デクババ属の子たち、異常ないか気になっちゃって」
「あ? なンかあったのか?」
「あったんじゃなくて、あるかもしれないから」
「何だそれ」
「この間、私に水生の魔物使われたでしょ」
「誰が何のためにとは聞かねェけどそうだな」
「あれからあの人がいろんなものに興味持っちゃって」
「おう」
「…………植物系の子たち使って触手プレイ(植物版)させられそうだから」
「…………」
「私以上にデクババたちのために、止めなきゃと」
「……お嬢も大変なンだな」
「うん、察してくれるリザルがいるだけで私は嬉しい」


Case5 事後

「ンで、またギラヒム様に遊ばれたと」
「…………身体中のあらゆる穴が痛い」
「人間のことはよく知らねェけど少なくともお嬢って呼んでるヤツの口から聞きたくねェ台詞だな」
「それでも付き添ってくれるリザルは優しいと思うよ……」
「気の毒ってのもあッケド、ギラヒム様の興味を試される先が大体お嬢ってのは俺らもある意味助かってンからなァ」
「…………待って」
「ンだよ」
「もしかしてなんだけど……私、魔族のみんなにとんでもない変態だと思われてない?」
「……間違ってなくね?」
「誤解だッ!! 変態なのはマスターだけ!!」
「そりャそうなんだけどなァ、傍から見てたらお嬢もまとめてそーゆー評価になンのは諦めるしかねェだろ」
「納得いかない!!」


Case6 主従はよく似る

「今日も一日頑張ったねー」
「お嬢、よくあの瓦礫の山から生きて帰ってこられたなァ……。最後お嬢たちが出てきた方から爆発音みてェなの聞こえたケド、罠でもあったのか?」
「あー……実はマスターと神殿の奥にたどり着いたまでは良かったんだけど、いろいろあって閉じ込められちゃって」
「マジか」
「で、マスターといろいろ出る方法考えたんだけど……途中でマスターが面倒くさいって言い出して、とりあえず爆発させたら出られるんじゃないかって結論に至りまして」
「……はァ」
「私もいろいろ考えたんだけど他に良い案思いつかなかったし出られるならいっかと思って特に反対もせず火の魔石投げてみたんだよね。で、出られたは良いけど神殿ごと崩れちゃって」
「だからお嬢、死にかけで出てきたのかよ……」
「私はともかく、マスターは神殿崩れたとしても脱出出来ちゃうしいっかなって」
「…………主従揃って脳筋かァ」
「何か言った?」
「なーンにも」


Case7 ありがとうの日

「あン? お嬢?」
「あ、リザル」
「えらい辛気臭ェ顔してんなァ。何かあったのか?」
「……マスター、何してるかなって思って」
「ああ……ギラヒム様、今遠方出てンだっけか」
「うん、他の地方の魔族を魔王軍へ勧誘しに行くんだって。着いていきたかったんだけど、さすがに見た目人間の私が交渉の場出たら逆に警戒されちゃうからね……」
「だろうなァ」
「にしても一ヶ月は長いよー……遠いから仕方ないけどさー……」
「好きだねェ、お嬢も」
「最初は久しぶりの自由に打ち震えてたけど、三日で耐えられなくなった」
「病気だろそれは」
「で、こうして窓から夜風を浴びながらマスターのこと考えてた訳です。ちなみにこの時間、マスターはどこであろうとぐっすりオネムになってるので部下の想いは通じたりしません」
「そこまで把握してる辺り重症なンだろうな。
 んァー……仕方ねェ。ホラよ」
「何……っ冷た! 酒瓶!?」
「一人で飲むつもりだったンだが、まァいいや。今からトカゲ族と、あと半獣の奴らも集めて飲むぞ」
「へ……え? どゆこと?」
「お嬢入れてゆっくり飲むのなンざあんま出来ねェだろ。こないだもすぐギラヒム様に呼び出しくらってたしな」
「けど、いいの? こんな時間に」
「呼べば夜行性のヤツらは大体集まンだろ。一人寂しくふて寝すンなら酒飲んで忘れろ」
「リザル……」
「その代わり酔った俺がお嬢のこと餌だと思う可能性も無きにしもあらず、だけどな」
「うん、それは頑張って逃げる」
「そーしろ。ンじゃ、酒持って連中呼びに行くぞ」
「……ありがと、リザル」
「気にすンな」

 *

「……百鬼夜行ってかんじ」
「おるァーーお嬢ーー肉提供しろ肉ゥーー!」
「リシャナさん! リザルの兄貴止めるの、手伝ってくださいーッ!!」
「はーい……」



続く!……かもしれない