( リクヤとアキト )
一目惚れだった。
「はじめまして、谷下 アキトくん」
晴れ渡る蒼空の光を浴びてキラキラと輝くブラッドレッドとワインレッドの髪。
それを引き立てる白い肌。
切れ長の漆黒の瞳。
その瞳を隠すかのようにかけられたシルバーのフレームと金糸雀色のグラスをした眼鏡。
すらっとした細身の身体。
「貴方が今日から私を護ってくださるんですよね。…よろしくお願いします。」
それらに反した柔らかな声色と丁寧な口調。
アキトは一目で好きだと思った。
目の前に立つ護るべきその人を。
「ご存知でしょうが私は東郷 リクヤと申します。あわせてよろしくお願いしますね」
東郷 リクヤを。
「は、はい!よろしくお願いします!リクヤさん!」
言葉の頭にあわせてアキトはぴんと背筋を伸ばしそのままほぼ直角に頭を下げる。
リクヤはそんなアキトの姿にくすりと笑いはいと返事を返した。
( 自分はこの人の為に生きたい。この人の為に、…死にたい )