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(香芽と迫)

硝子の様に透明感のあるプラスチックで出来た椅子に腰を掛けて、すらっと長い足を組み、椅子と同じ素材で出来たテーブルに肘をつく姿は男が見ても女が見ても美しいと思い息を飲むであろう、と迫は自身が座る目の前に佇む香芽を見て思う。
当の香芽はテーブルの上に先程、可愛らしい制服に身を包む店員が香芽に見とれつつも運んで来たアイスティーをじっと見詰めている。
そんな香芽に気が付き迫はどうしたのだろう?と首を傾げる。


「あ、あの、香芽さん。どうかしたんですか?」


乾ききった口内にミルクティを流し込んだ迫が尋ねると香芽は口を開く。


「これは、…どうしたらいいんだ?」

「…え?…あ、えっと、」


の、飲めばいいんですよ、と迫が言うと香芽はあ、これは飲み物なのか、とがってんを打った。
有り難うと言い微笑む香芽の美しさに迫は頬を真っ赤に染めてこくこくと頷く事しか出来ない。

真っ赤になったままこくこくと頷き続ける迫に香芽は微笑みを深め、迫の耳元に唇を寄せた。
次の瞬間、迫は顔全体を真っ赤に染め上げる事となる。


「ねぇ、お礼にキス、させてくれない?」


そう言って微笑みを浮かべる香芽は美し過ぎて、迫ははいと言わざるを得なかった。


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