自由倉庫 Freiheit ::四月一日企画2019(翼のサクリファイス) 852年。 束の間の安息の日々――否、業務と訓練に忙殺される日々の中、中央からある任務が通達される。 それは―― 「新婚旅行に行け!? どういうことですか!?」 「直球に言えば子供を産んで欲しいんだよ、お偉いさんは」 「待ってください、ハンジ団長、私、その件に関しては――」 「行くぞ、一時間後だ。準備しろ」 「兵長!? えええええ!?」 陰謀と願望が渦巻く新婚旅行へ! 「行ってらっしゃーい! 美味しいお土産、待ってます!」 「え、何、私以外の全員がこのこと知ってたのに、当事者が当日まで知らされずに旅立つってどういうこと?」 「事前に話していたら行かなくても良いように何か対策される可能性があるので、だったらそんな時間を与えないようにしようってアルミンが」 「アールミーン?」 「ゆ、ゆっくりしてもらえたらと思って! 業務は滞りないように調整済みですし、戻られてからの負担もかけません」 「知ってるよ、私がいなくても仕事が回ることくらい。私が言ってるのはそういうことじゃなくて」 「どういうことです?」 「……そんなことしてる場合じゃないでしょ。これからのこと考えたら時間もお金もないんだよ。それをこう、使うのは――」 「だから、行くべきじゃないですか?」 「……そんなこと、ないと思う」 「とにもかくにも行ってらっしゃーい! 美味しいお土産、待ってます! 大事なことなので二度言いました!」 荷造りに残された時間は残り僅か! 一体何を持っていく? 「荷物に火器火薬一式、立体機動装置はいらねえだろ」 「備えあれば憂いなしと思って」 「置いていけ」 そして二人は旅立つ! 一体どこへ? 「『あなたのことだけ考える一日を過ごしてみたい』……お前、いつだったか言っただろ」 「……言いました、ね」 「それが、今だ」 世界のためではなく、誰のためでもなく、 「あの……」 「…………」 「いやじゃ、なくて……」 「…………」 「少し、恥ずかしい、だけ、です……」 ただ愛する存在のために、そして己のために過ごした三日間の思い出が明かされる! 「もう、泣くな」 「わ、私が、泣い、たら! 抱きしめてやるって、言ってくれたじゃないですか……!」 「……これからは、そうしてやれなくなるからだ」 彼らの『楽園』はどこにあるのか? 愛が奏でる幸福の終曲、或いは――絶望の序曲、ここに開幕! 翼のサクリファイス-新婚旅行編- 来月より連載開始! というわけではありません! ----- 果たして今年で何度目なのか!ということで四月一日企画2019でした。今回も嘘予告楽しすぎました。 新婚旅行編、頭の中にはありますが書く予定はないです。想像して楽しむのが一番楽しい、みたいな。彼らの新婚旅行はあなたの心の中にあるんだよ、みたいな。 それでも書くとしたら「もう、泣くな」辺りのシリアスっぽいシーンはない予定です。二人でずーっとそれなりにいちゃいちゃしてのんびりしてます。じゃあ何でこのシーン入れたんだよって感じですが、映画とかで予告を見てから本編観たら「あれ?そういえば予告で見たシーンなかったよね?」みたいな現象ありますよね。あれがしたかった。予告にあるのに本編ではないシーン、みたいな。それが予告。これぞ予告。 そんなわけで、アニメseason3に伴う復活だったこの倉庫は今回で三度閉幕となります。 何かひとつでも楽しんで頂けたなら幸いです。基本的に誰得ならぬもずく得ばかりだったと思うので。 そんな感じなので新シーズン(次がファイナルシーズン!)の放送時にここが復活するかどうかはわかりません。が、もしももしももしも復活したその時はまた覗いてやってくださいませー! ではでは、今後も本サイトliebeともずくをよろしくお願いします! back ×
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