ちゅんちゅん
「ん・・・ぁ?」
カーテンの隙間から溢れる微かな光
隣をみると栗色の頭がまだすやすやと寝息をたてていた。
それをみるだけで、今まで苦手だった朝も幸せな気分になる。
絶対に口にだすことはしないが…
時計を見ればまだ6時にも達していなかった。
昨日、任務から帰ったのはいつも同様に夜中。
しかもその後は魔魅流の相手で、まだ眠い。
二度寝しても文句はいわれないだろう。 不満は隣にいえ!っての・・・。
「魔魅流」
そっと軽く口付ける。
けっして起こさぬように・・・
「ん…りゅ…じ?」
寝言と一緒に名前を呼ばれた。
そのことに気分を良くしながら、魔魅流に擦り寄るようにしてもう一度眠りについた。
遠くで魔魅流が笑ったような気がしたのは気のせいだろう。
それか夢か・・・
竜二が二度目の眠りについたとき入れ替えに隣の男・・・魔魅流が目を開けた。
「竜二…。可愛いなぁ」
ふっと笑みを浮かべると竜二をしっかり抱きしめたまま耳元でつぶやいた。
「竜二。好きだよ」
それはまるで体の芯を痺らせるように響く甘いドルチェのようだった。