03





「ボンゴレ」


焦ったスパナは沢田のところへ来ていた。


「あれ、どうしたのスパナ?」

「服、貸してくれ」

「はい?」


突然のことに沢田は訝しげに首を傾げる。そんな彼にスパナは事情を説明した。


「うーん…貸してあげたいのは山々だけど俺そんなに服ないし…。そもそもまず俺とサイズが合わないんじゃ…」


言いにくそうな沢田に対してスパナは、あ、と声を漏らす。彼は今の今までサイズの事など気にしていなかったのだ。

そして沢田は続ける。


「というか服くらい買ったらいいんじゃないかな?」

「………忘れてた」

「……ハハ」

「じゃ、行ってくる」


呆れる沢田を残し、スパナは街へと向かった。










一方名前は自らの部屋で1人ファッションショーを開催していた。


「うーんと、こんな感じ?……違う!!今度はこれだ!!……なんか違う!!」


鏡の前で服を自分の前に持ってきながらあーでもないこーでもないと試行錯誤する。


「んー…どれもなんか違うんだよなぁ…」


うーんと唸りながら名前はあることを思い付く。


「そうだ。どうせ他にやること無いんだし、買いにいけばいいじゃん」


そう思い立って、軽く身支度を整えると直ぐに自室を後にした。



スパナ、どんなのが好きかな。



久しぶりのデート。



明日が楽しみだ。







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