09





あれからスパナはどういう心境の変化があったのかかなりスキンシップが多くなった。

それに、少し頼ってくれるようにもなった。


「名前、それ取ってくれ」

「これ?」

「うん。ありがと」


スパナのありがとうはどうしてか凄く新鮮で、かなりキュンと来るものがある。


「…………。」


工具を渡してそのまま手を引っ込めようと思ったらそのまま手を掴まれて、まるで手相を見てるんじゃないかってくらいガン見された。


「…どしたの?」

「あんたの手、小さいな」

「はい?」


それからぺたぺたと触られて解放。
一体何がしたかったんだろう。


なんて考えていたら、今度は唇に柔らかい感触。


「え」

「うん、満足」

「スパナ、今、え?」


スパナはもう私に背中を向けていて作業を始めてる。


言ってしまえば、

今の


ファーストキス


なんですけど…!?



どうしてそんなに平然としていられるの!?
いやまぁほっぺたとかにはたまにありましたよ?ありましたけども、口と口は初めてだからね…!?

一人あたふたしてたらスパナから衝撃的な一言。



「ウチ、明日一日出掛けてくる」

「仕事は?ってか私も行っちゃだめ?」

「それは今日終わらせる。すまないが明日…」

「え…あ、うん。わかった」



なんか、すっごいショック。


手握ってきたりキスとかするくらいだから嫌われてはいないだろうけど、だったらなんで。

いろんな感情が頭のなかをぐるぐる回って破裂しそう。

それでも私にだって一人になりたいときはあるから、快く送り出すことを決めた。


明日は女子会でも開催しよう。











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